モバイルバッテリー・充電器

急速充電全盛期にあえて急速充電規格に非対応のモバイルバッテリーを選ぶ理由

高速充電非対応のモバイルバッテリーが実は最善の選択肢

提供:SUNVALLEY JAPAN

PD対応!」「QC 3.0準拠!」「30分で70%充電!」

急速充電の効果・効能が声高に叫ばれている昨今。それに流されて、「なんとなくすごそう……」と、つい急速充電対応のモバイルバッテリーに目移りしてしまっていませんか?

急速充電が本当に自分にとって価値があるのか、冷静に考えてみたこと、ありますでしょうか。

たとえば

  • 寝る前に充電しておき、起きたら満充電できていればOK
  • 電池が30%切ったらモバイルバッテリーにつないでおく

という習慣が身についている人にとって、「30分で70%充電」は無価値です。わざわざ急速充電を選ぶ意味はないでしょう。

そもそも昨今の状況からして、急速充電を正しく使うには、それなりの知識、目利き力、そしてお金が必要なので、急速充電は決して万人向けではないんです。

・・・

本記事では、急速充電のウリ文句に踊らされることなく冷静にモバイルバッテリーを選ぶため、考える材料を提供します。

「モバイルバッテリーを買いたいけど急速充電とかよくわからない」という方の助けになれば幸いです。

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本記事は商品提供を受けて作成しています

急速充電には時間的・金銭的な投資が必要。その理由

急速充電の効果を正しく享受するには

  • 規格の知識を学ぶ時間と手間
  • それなりのお金

の2点、投資として必要です。

理由は、規格の乱立、およびそれに伴うケーブル・バッテリー価格の高止まり、および種類の分散です。

規格が乱立している

タイトルに書いたPDやQCだけでなく、PowerIQその他メーカー規格を含めると、めちゃくちゃ乱立しています。

参考 乱立するスマホ向け急速充電の規格をざっくり解説

おそらく多くの人は、「同じ電圧(V)・電流(A)が出ればいいじゃないの?」と勘違いされていると思いますが、規格が違えば正しく急速充電できません。

そもそも規格とは言葉のようなもの。充電する側・される側・ケーブルが意思疎通するために定められているものです。

たとえるなら、「電流・電圧が同じでも規格が異なる」=「同じスピードで日本語と中国語を話している」と同じ。意思疎通=充電ができるはずありません。

そのため、充電する側・される側・ケーブルそれぞれに、規格に準拠したチップが埋め込まれています。

したがって、正しく急速充電するには、乱立する規格に関する知識に基づくケーブル・バッテリーなどの見分け・使い分けが必須

そのための学びの時間は投資する必要があります。

NAE
NAE

ぼくもこの記事書くのに結構苦労して勉強しました……

ケーブル・バッテリー価格の高止まり

たとえばPDの場合、PD規格に対応したUSB-Cケーブルを使わなければ急速充電できません。

そして、端子の種類にもよりますが、PD対応ケーブルの値段は非対応のものより結構値が張ります。

実際、同じElecomのUSB-C to USB-Cケーブルでも、

と600円ほどの値段差があります。

これはモバイルバッテリーも同じで、RAVPowerの同じようなバッテリーでも

と、それなりに大きな値段差が。

かつ、PD規格で急速充電するにはケーブル・バッテリーともPD対応でなければなりません。

すると、上記2つセットで買った場合、

  • PD対応セット:6,307円
  • PD非対応セット:3,834円

と、1.7倍程度の差が出ることになります。

NAE
NAE

規格の乱立により生産技術がこなれにくく、コストダウンしづらい状況にある影響かもしれません

モバイルバッテリー種類の分散

規格乱立の影響は、値段だけでなくモバイルバッテリーの種類の分断も引き起こしています。

そもそもモバイルバッテリーの本来の価値は、「給電を通じてあらゆるデバイスの稼働率を高めること」にあります。

そのため「電池容量」「給電速度」の2つがKPIなのですが、規格が乱立しているなか、「あらゆるデバイス」と「給電速度」の両立が難しくなっているんです。

  • 「給電速度」を確保したまま「あらゆるデバイス」に対応する → 多数の規格への対応が必要で、値段が高くなってしまう
  • 値段をおさえようとすると、「給電速度」は数種類の規格のみ対応となる → 「あらゆるデバイス」が損なわれる

結果、PD・QC・その他もろもろ、いろいろな規格の組み合わせを搭載した多種のモバイルバッテリーがゴチャゴチャ存在する状態になってしまっています。

するとユーザとしては、

  • 自分の持っているデバイス(の対応している急速充電規格)を把握したうえで
  • それらをカバーするモバイルバッテリーを複数種類買わなければならない

という状況に陥り、いちいち「目利き」が必要で、ひたすら不便です。

NAE
NAE

「正直どれを買ったらいいかわからない」という人、多いんじゃないでしょうか

急速充電の投資対効果を、現実的に考えたことはあるか

正しい急速充電のためには、「規格を学び、見分けるリテラシーをつけ、高い金を払う」の3点で投資が必要、という話をしました。

ではこの投資、本当にROI(Return On Investment:投資対効果)が良いのでしょうか?

急速充電のReturn=メリットは「時短」です。「30分で70%充電」はその代表例でしょう。

しかし現実的に考えてみてください。30分で70%充電されないといけないシチュエーション、今まで出会ったことありますか?これから出会う可能性、ありそうですか?

あるのなら急速充電への道を歩むべきです。

しかし少なくともぼくは、「30分で70%」が必須だったことは一度もありません。

なので、ROIが立たないんです。そのため急速充電対応のモバイルバッテリーや急速充電対応のケーブルは、ぼくにとって「積極的に買うべきアイテムではない」という判断になります。

もちろん「急速充電対応」という文字にワクワクするなら、心理的充足感の点で投資対効果があると言っていいと思います。

しかし冷静に考えれば、自分自身の現実的なニーズに従って判断するのが、本当の賢い買い物であると言えるのではないでしょうか

NAE
NAE

過去に「衝動買い」したもの、その後どうなってますか?

PD・QC非対応モバイルバッテリーは、賢い選択肢かもしれない

こう考えると、急速充電全盛期のなかPD・QCなどに対応していない普通のモバイルバッテリーをこなれた価格で買うのは、人によっては最善の賢い選択肢であるとも言えます。

もしあなたが「新しいモバイルバッテリーを買うならやっぱり急速充電対応じゃなきゃな」と思ってしまっているなら、それは単なる呪縛です。強迫観念にすぎません。

自分の身の回りのデバイスたち、それらの電池容量、充電のタイミングや場所など給電まわりの生活習慣、ぜひ見返してみてください。

本当のところ、PDもQCも、あなたには必要ないのかもしれません。

NAE
NAE

「宝の持ち腐れ」に気をつけましょう

普通だけど一味違うモバイルバッテリー「RAVPower RP-PB125」

RAVPower RP-PB125 ブラック 外観
RAVPower RP-PB125。アウトプットはUSB2口。

では「普通のモバイルバッテリー」でどういうのがいいの?というお話ですが、先日入手した「RAVPower RP-PB125」はなかなか強力です。

というのも、同じようなコンセント直挿し系モバイルバッテリーの中で最上位のスペックを誇るためです。

  • コンセントに挿すと充電しながら給電可能
  • 1日分に十分な容量、6,700mAh
  • 安全安心のPSE認証
  • ケーブルを挿すだけで充電開始
  • 海外電圧にも対応(100V〜240V、50/60Hz)、変圧器がわりに使える
  • 手になじむデザインで実際より軽く感じる
  • 2,999円(Amazon価格)と安い
RAVPower RP-PB125 ブラック 折りたたみ式の電源プラグを出したところ
コンセントに直挿しすると本体を充電しながら給電可能。変圧器のかわりにもなる。
RAVPower RP-PB125 ブラック 同梱物
同梱物。きしめんケーブルは取り回しやすい。

詳細は下記商品ページからどうぞ。

まとめ:「最新」は必ずしも「賢い選択肢」ではない

RAVPower RP-PB125 ブラック 外箱
RAVPowerモバイルバッテリーの外箱。色がとても美しい。

ぼくはガジェットレビュアーなので、もしかしたら読者の方々は「最新のもののレビュー」を求めているかもしれません。

しかし、ぼくは本業コンサル。矜持として、無駄に高いもの・新しいものではなく、読者のニーズにピッタリあてはまる、ROIの立つものをご提案するのが美しいと思っています。

「最新」は、ROIの点では必ずしも「賢い選択肢」ではありません。特に規格乱立で群雄割拠の様相を呈しているモバイルバッテリーまわりはなおのこと。

ぜひご自分のニーズを解像度高く捉え、それにフィットするモバイルバッテリーを選んでください。

以上「急速充電全盛期に、あえてPD・QC非対応のモバイルバッテリーを選ぶ理由」でした。

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