提供:HiFiGo
HiFiGo様のご厚意で、2021年11月発売のイヤホン「TIN HiFi T3 plus」をレビューさせていただけることとなりました。
TIN HiFi T3 plusの特徴は、中低音の解像度と広がりの良さ。
- 「こんな音も鳴っていたんだ」
- 「低音にもこんな表情があるんだ」
と、新しい気づきが得られます。特にドラムの響きや弾みが秀逸です。
高音は、左右の広がりは限定的ですが、頭上を抜けるような奥行きときらめきは確保されており、悪い感じはしません。
あえて欠点を挙げるなら、IEMという名前なのにあきらかに音が作り込まれすぎている点。ただ好みが分かれるかもしれない、くらい。
総じて、ドラムの音を追いかける人にはとても楽しいイヤホンです。
TIN HiFi T3 plusのスペック
- ドライバ構成:1DD(10mm)
- インピーダンス:32Ω±15%
- 感度:105±3dB
- 周波数応答範囲:10Hz〜20kHz
- 終端プラグ:3.5mm金メッキプラグ
- 定格電力:3mW
- 最大電力:5mW
- 最大歪み:1%@ 1kHz
TIN HiFi T3 plusレビュー
それではレビューしていきます。
付属品:充実
コンパクトな箱の中には多くの付属品がぎゅっと詰め込まれています。
イヤーピースは全部で7種類。
- 青:ウレタン
- 黒:シリコン(低音強め)
- 赤:シリコン(高音強め)
フィット感によって音質が変わるので、数が多いのはいいことです。
デザイン:大理石✕黒メタリック
本体
外側は大理石デザインに金のエンブレム、内側はシースルーの黒。
夜の世界のような、艶やかさとゴージャスさを感じるデザインです。
ケーブル
ケーブルは漆黒でメタリック。
イヤホンジャック部分はまるで製図用シャープペンシルのような仕上げで、プロフェッショナル感があります。
デザインはニヤニヤしてしまうレベルですが、ピン部分が裸なのは少し気になりますね。
全体
組み上げるとこんな感じになります。
イヤーピースはカラースキーム的にはシリコン黒が似合うんですが、音バランス的にはシリコン赤がおすすめです。
装着感:良い
装着感は良好。
耳に押し込むというより、耳に乗せるイメージで装着するだけでしっかりホールドされます。
落ちる様子もずれる様子もありません。
音質:艶やかで高解像度な中低音域が魅力
第一印象は、よくあるドンシャリっぽいけど何か光るものがある、です。
音量バランスは低>中>高。
はじめは低音域に力を入れている印象が先行しますが、よく聴くと中〜低音域にかけての解像度と音場のすばらしさに気づきます。
具体的には……
低音域
バスドラムの音の種類、たとえばドンドン、ズンズン、ボンボン、ダンダン、の違いがわかります。
音場は広く、響き渡りがよく感じられるため、あたかも暗闇のなか足元にともった光が輪になって地平線まで広がっていくような感覚を覚えます。
解像度も優秀で、ベース音の弦のスレや微妙な音の揺れ、ザラつき感まで伝わってきます。
はずみの良いドラム音と輪郭のはっきりしたベース音が楽曲全体をリードするので、とてもリズムに乗りやすいです。
中音域
中音域にもある程度、低音域の特徴が引き継がれています。
特にドラムの音は、バスドラムの音に混ざるわずかな中音やスネアドラムのパンチ力がまるでくくり出されたかのように際立っています。
また、ピアノやストリングスに混ざる低めの音が強調され、迫力しっかり。
ピアノやチェロの旋律にドラムを合わせるような楽曲だと、ほんと身震いするぐらいのいい音が出ます。
高音域
逆に高音域は、ピンポイントできらめき感を目立たせたような調整。
たとえるなら、球状のドームに大きな天窓があってそこから星を眺めているイメージ。
360度の広がりはなくとも遠くまで見通せるし、その美しさは感じられるものの、きらめきにつつみ込まれる感覚はありません。
とはいえ、高音域に求められる表現や音はしっかり鳴らしています。
いうなれば、120点を求める高音重視な人にはもの足りないかもしれないものの、90点は取れている感じです。
総じて
- メイン食材は低〜中音域
- 高音域はあくまでスパイス(でも手を抜いていない)
というスタンスの音質です。
原音に忠実な気ではないですが、これはこれで全体で調和が取れており、かつクセになります。
たとえるなら、かなり辛いけどまた明日食べたくなる四川料理。
TIN HiFi T3 plusの音、個人的には超好みです。
保証:1年
付属の保証書に「1年保証」と書いてあります。
1万円以下とはいえ安くなイヤホンなので、しっかり保証してくれるのは嬉しいポイントです。
実際に使ってみた感想
良かったところ
- 自然と体が動いてしまうドラム音
- 迫力ゆたかは中音域の旋律
- さまざまな表情が読み取れる低中音域の解像度
- 艶やかでありながらシックなデザイン
悪かったところ
- IEMという名前なのに原音に忠実とは言えない音
(ただし、これはこれで悪くない)
TIN HiFi T3 plusはこんな人におすすめ
まとめ:ドラム、迫力、リズム感
総合評価:
個人的には大ヒットです。TIN HiFi T3 plus。
もし近くに試聴できる店があるなら、ぜひ一度聴いてみてもらいたいです。
中低音域のメリハリや表情、リズム感や迫力を重視する人には、きっと脳汁モノだと思います。
以上「TIN HiFi T3 plusレビュー | 中低音の解像度と音場の広さが魅力。ドラム好きには脳汁が出るイヤホン」でした。
同じ価格帯でフラットさを求めるならikko OPAL OH2を推します