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SOUNDPEATS Air3 Deluxeレビュー | 専用アプリ対応でどこまで化ける?定番ブランドの次の一手が垣間見える完全ワイヤレスイヤホン

4.0
SoundPEATS Air3 Deluxe レビュー

提供:SOUNDPEATS

SOUNDPEATS様より、2022年6月発売の「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」を提供いただきました。

基本スペックや音質特性は前作Air 3から引き継ぎ。一番の進化点は専用アプリに対応したこと。

そのため本記事では、完全ワイヤレスイヤホンとしての性能を幅広に検証しつつ、特に専用アプリ対応に焦点を当ててレビューしていきたいと思います。

SoundPEATS(サウンドピーツ)
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本記事は商品提供を受けて作成しています

SOUNDPEATS Air3 Deluxeが気になった理由

専用アプリに対応したからです。

専用アプリに対応する=今後もファームアップなどでそれなりの進化が望める、ということ。

どこまでできるのか、期待したいところです。

SOUNDPEATS Air3 Deluxe概要

【専用アプリ対応】 SOUNDPEATS Air3 Deluxe ワイヤレスイヤホン aptX Adaptiveコーデック / 最大21時間再生可能 / Bluetooth 5.2 / cVc通話ノイズリダクション / 装着検出機能 / ダイナミックドライバー / 低遅延モード / イヤホン インナーイヤー / Type-C充電対応 / テレワーク WEB会議 サウンドピーツ 【技適認証取得、正規メーカー12ヶ月保障】 (ブラック)

注目ポイント

  • 専用アプリ対応
  • ケースデザイン刷新
  • イヤホンとしての基本性能はしっかり

仕様・スペック

  • ドライバ:14.2mmダイナミックドライバ
  • 搭載チップ:QCC3040
  • 対応コーデック:SBC / aptX / aptX-Adaptive
  • Bluetoothプロファイル:HFP、HSP、A2DP、AVRCP
  • 通信方式:Bluetooth 5.2
  • バッテリー容量:280mAh(ケース) 40mAhx2(イヤホン)
  • 再生可能時間: 最大5時間(イヤホン本体のみ) / 最大21時間(充電ケース使用時)
  • 充電端子:USB Type-C
  • 充電時間:約1.5時間(イヤホン) / 約1.5時間(充電ケース)
  • 重さ:約36g(充電ケース含む) / 約4g(イヤホン本体 片耳)
  • 防水規格:IPX4

SOUNDPEATS Air3 Deluxeレビュー

それではレビューしていきます。

外観・デザイン:光沢仕上げは好き嫌いがあるかも

ツルツルした光沢仕上げの黒ケースは好き嫌いがあると思います。

手触りもそうなんですが、なにより指紋やホコリが目立つんですよね。

本体はマット仕上げの黒なのにケースだけ光沢にしたのは、個人的には減点ポイントです。

NAE
NAE

とは言え好みの問題だと思います

重さ・大きさ:標準的

指先でつまめる程度の大きさ。特にコンパクトさを売りにしているわけではないので、まあこんなもんでしょうって感じです。

重さも目立って軽いわけではなく、標準の範囲内です。強いて言えば、本体とケースを合わせて40gを切っているのが「少し軽めかな」と思うくらい。

Bluetooth接続:aptX Adaptiveにまで対応

対応コーデックが幅広く、AACやaptXだけでなく、aptX Adaptiveも使えます。

接続の安定性は、人通りの多い駅前で試しても一切ブツっと切れることはなく、問題は感じませんでした。

装着感:意外と落ちない

装着感はとても軽いです。耳に押し込むというより耳の上に乗せているイメージ。

そう感じる理由は、そもそも本体が小さめなのと、インナーイヤー型ということで耳に圧迫感がないからでしょう。

乗せるだけと言いつつ、首をぶんぶん横に振っても落ちません。

意図的に振り落とそうとしない限り、落としてしまう可能性は小さそうです。

操作性:少しタッチ感度が強め

タップ操作。

操作方法と主な機能はざっくり以下のとおりで、特に変わった点はありません。

ざっくり操作方法
  • 1タップ:音量操作
  • 2タップ:再生/一時停止
  • 長押し:曲送り/戻し
  • 3タップ:ゲームモード切り替え、音声アシスタント起動

これらに加え、SOUNDPEATS Air3 Deluxeは自動耳検出機能を搭載しているため、

  • 左右どちらかを外す→自動で一時停止
  • 左右両方装着→自動で再生開始というふるまいが可能。

レジで会計するときに一時的に外すときなどに便利です。

専用アプリ:便利だが、目玉機能は荒削り

SOUNDPEATS

SOUNDPEATS

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2022年6月26日時点、Android版バージョン1.1.3の情報です

SOUNDPEATS製イヤホンは今後すべてアプリ対応するそう。対応イヤホンの最新ラインナップは公式サイトからどうぞ。

イコライザ調整やファームウェアアップデートなどが可能で、買ったら終わりにならないため、ユーザとしては嬉しいですね。

詳しく見ていきましょう。

初回登録

初回のユーザ登録は画面の指示に従えばOK。使いにくいところはありません。

唯一ひっかかったのは認証コード。認証コードをメールで取得してから60秒以内に入力しなければならないのですが、メールがなかなか届かず時間切れになってしまいました。それも4〜5回連続で。

ただ、翌朝に試すとすぐさまメールがきました。時間帯の問題かもしれません。もしかしたらメンテナンス中だっのかも。であればそのようなエラーメッセージを出してほしかったところです。

「作りっぱなし」にしないのがSOUNDPEATSの良いところなので、今後の改善を期待しましょう。

NAE
NAE

ぼくからもフィードバックしておきました

イコライザ

一通りいじってみた結果、

  • 基本はプリセットの「SOUNDPEATSクラシック」を使い、
  • どうしても音バランスが気に入らない場合は中身をいじる

という使い方がよさげです。

詳しく見ていきましょう。

プリセット

9種類のプリセット。それぞれの周波数特性は非公開。

それぞれ試した感じ、ぼくにとっては「SOUNDPEATSクラシック」がもっともバランスが取れていました。音の見通しが一番よかったのと、弱ドンシャリで聴きやすいためです。

好みに応じて選びましょう。

自前カスタム

6個の周波数それぞれを13段階で調整可能。保存できるカスタムプリセットは1つだけ。

イコライザで自分で音を作り込みたい人にはもの足りないかもしれません。ただそうでない人には必要十分可能だと思います。

自動調整

自動調整イコライザは、自分の聴力特性をアプリで測定し、その結果に基づきAIが最適な音バランスを作ってくれる機能。

一瞬よさげに思えるものの、実際使ってみると、めちゃくちゃアンバランスな仕上がりになります。

理由は、AIの考える最適は必ずしも自分にとって今聴きたい心地の良い音とは限らないから。たとえるなら、焼肉が食べたいのに、「身体のためだから」と薄味の七草粥を出された気分。

ただこれはぼくのスタンスのせいかもしれません。「AIのおすすめこそ自分にとって最上の音なのだ」と考える人には違って見えと思います。人によりけりかな、と。

NAE
NAE

ぼくはこの機能使わないと思います。AIの調整した音がまったく好みの音ではなかったので

モード変更

画面上はANCの選択メニューがありますが、SOUNDPEATS Air 3 DeluxeはANCに対応していないため、ここをいじってもなにも起きません。

たぶん機種によらず同じUIを使っているのせいだと思います。非対応機種ならANCメニューを非表示にするなど配慮してくれたら良かったかなと。

ファームウェアアップデート

ファームアップに対応。

SOUNDPEATS Air 3 Deluxeもさっそくアップデードがきていました。(「一撃機能」みたいな少し不自然な表現はご愛嬌)

今後もしかしたら、LDACのようなソフトウェア処理で実現される高音質コーデックのアプデ配信がくるかも?しれません。

音質:5000円にしては秀逸

第一印象は、期待通りのいい音、です。

音量バランスは、イコライザなし状態では低>中=高。

SOUNDPEATSならではの粒度の高い音。過去作と比べて音の分離がよく、特に中音〜高音の輪郭がくっきりしています。

インナーイヤー型では弱くなりがちな低音もしっかり。カナル型ほどの音圧にはならないものの、鼓膜に圧力を感じます。力強い。

あえて弱点を言うなら、とても限定的なケースでボーカルの音がモノラル音源的に潰れることがあるくらい。ただ、30ほどの音源を視聴したなかで1曲だけ現象が再現するくらい。あまり気にしすぎなくても良いと思います。

総じて、5000円台の完全ワイヤレスイヤホンとして秀逸な音質と呼べます。

音域別の印象は以下です。

高音

よく響きます。遠くまできらきら。

トライアングルやシンバルの粒感がよく、かつ左右位置が明確なので、あたかもまわりにホタルが飛んでいるような印象を受けます。

イコライザの音量バランスによってはこれらの良さが十分に表現されなくなりますが、音質面でサボっているわけではないので、高音重視のイコライザーにすれば十分魅力を発揮してくれます。

中音

分解性能が高く、音色の輪郭がくっきりしています。特に弦楽器の表現が良く、弓と弦の摩擦や爪弾きの微細な揺れが感じられるほど。ただし弦楽器以外、たとえばピアノなどは少し奥まりがち。ピンポイントで弦楽器のみ表現力を高めているように感じます。

ボーカルは全般良いのですが、時たまモノラル音源のように少し潰れて聞こえることがあります。たとえるなら、こっちに迫ってくるなにかが目の前のガラスの壁にぶつかってベチョっとなっているイメージ。ボーカル重視の曲、かつ声量の大きなパートで起こりやすいようです。ただ試聴した中だとこちらの曲で再現したのみで、他の曲だと起こりませんでした。レアケースなのだと思います。

低音

ずんずんきます。インナーイヤー型なのに鼓膜を揺らしてくれます。音の厚い打ち込み系の楽曲でもちゃんと存在感を発揮できるレベル。突き刺すようなパンチ力を求める人には足りないかもしれませんが、そうでない人には十分な水準です。

音が薄い楽曲でバスドラムの響きを聞いてみると、実に響きが良く、広さを感じられます。

SoundPEATS(サウンドピーツ)

マイク音質:値段なり

マイク音質はそこまで期待してはいけません。

そもそも集音能力が低め。 ANCや音質にコストを振り分けた結果、マイク自体はそこまでコストをかかっていないのかもしれません。

とはいえ、そこまでレベルが低いわけでもなく、日常的なLINE通話などで使う分には十分な水準です。

あくまで、マイク音質の良さをアピールしているものと比べるとそこまででもない、というだけ。

そもそも、マイク音質に期待してSOUNDPEATS Air3 Deluxeを選ぶ人は数少ないと思うので、マイク音質がイマイチだからと言って買うのやめる理由にはならないと思います。

電池の持ち:やや弱め

連続再生時間は、本体のみで最大5時間、ケース込みで最大21時間。

本体のみで5時間というと、2022年発売の完全ワイヤレスイヤホンのなかでは短い部類に入ります。だいたい本体のみ7〜8時間、ケース込みで30時間が相場。

通勤通学の時間に使うならいいんですが、仕事のWeb会議で1日使うとなると正直心もとない水準です。

ただこれは手を抜いているわけではなく、本体のサイズや重さを抑えるためのバランス調整の結果。「コンパクトなのに高機能」を追求すると、どうしてもバッテリーの持ちを犠牲にせざるをえないのでしょう。「こういうバランスのアイテムなんだ」と割り切る方が良いと思います。

なお、急速充電やワイヤレス充電には非対応です。5000円台で専用アプリも、となると、仕方ない気がします。

防水・防塵:水しぶきなら大丈夫

IPX4等級の防水を備えています。

汗やシャワー、ちょっとした雨などの水しぶきレベルなら大丈夫ですが、豪雨や水ポチャには要注意、くらいの水準。

なので、基本的に濡らさないように使うのが正解。IPX4は、間違って濡れたときの保険くらいに思っておくと良いでしょう。

保証:1年

SOUNDPEATS製品には標準で1年間の保証が付きます。SOUNDPEATS Air3 Deluxeも、もちろん1年保証。

ただ値段が安いのでそもそも保証期間はアピールポイントにはなりにくいです。あくまで「初期不良の際もしっかり対応してくれる」というお約束だと捉えると良いと思います。

SoundPEATS(サウンドピーツ)

実際に使ってみた感想

良かったところ

  • 5000円台の完全ワイヤレスイヤホンとして秀逸な音質
  • ファームウェアアップデート対応

悪かったところ

  • 売りの「自動調整イコライザ」は微妙
  • 黒の光沢ケース。指紋や汚れが目立つ

こんな人におすすめ

  • 5000円台のインナーイヤー型完全ワイヤレスイヤホンを探している
  • 低音のパンチ力に強いこだわりがあるわけではない
  • 買った後でも機能・性能向上してくれるものがいい

まとめ:総合力は高い

総合評価:

荒削りな部分が悪目立ちしてもったいない、が本記事初出時点の評価です。

イヤホン本体や音作りの面では、SOUNDPEATSが積み上げてきた実績とノウハウを十分に感じられます。

ただ専用アプリに搭載している機能が足を引っ張っています。特に自動調整イコライザが荒削りであるにも関わらず、そこを「売り」としている影響で、荒削りなところが悪目立ちしてしまっているんです。物としては良いのにもったいない。

黒光沢のケースには賛否あるとは思うものの、総合力という意味では5000円台の完全ワイヤレスイヤホンとしてはおすすめできる機種です。

ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

以上「SOUNDPEATS Air3 Deluxeレビュー | 専用アプリ対応でどこまで化ける?定番ブランドの次の一手が垣間見える完全ワイヤレスイヤホン」でした。

SoundPEATS(サウンドピーツ)

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