イヤホン・ヘッドホン

AfterShokz OpenMoveレビュー | モノは良いがターゲット層に刺さるか不安な「初心者向け」骨伝導イヤホン

4.0
AfterShokz OpenMoveレビュー

提供:AfterShokz

AfterShokz様のご厚意で、2020年7月発売の骨伝導イヤホン「AfterShokz OpenMove」をレビューさせていただけることとなりました。

OpenMoveは、骨伝導イヤホンのパイオニアにしてトップブランドであるAfterShokzにおいて「初心者向け」としてラインナップされている廉価版製品。

しかし、初心者向けだからといって中身は妥協していません。音質や装着感など、主たる部分値段が2倍の先代機種AfterShokz Aeropexと近いレベルです。違うのは素材感、電池の持ち、防水防塵性能などのサブ機能のみ。

くわえて、AfterShokzの他機種は充電に専用のケーブルが必要でしたが、OpenMoveはUSB-CケーブルでOK。

以上のポイントから、より幅広い層にハイクオリティな骨伝導イヤホンを使ってもらいたい、という意図を感じます。

ただ、約9,000円という値段はパッと手を出しにくいのも事実……

なので、本記事ではAfterShokz OpenMoveに9,000円の価値はあるのか?という観点からレビューを試みます

「骨伝導イヤホンってどうなの?」「OpenMoveってどうなの?」という方の考えの足しになれば幸いです。

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AfterShokz OpenMoveの概要

2020 OpenMove AfterShokz オープンムーブ ワイヤレスヘッドホン 骨伝導イヤホン 防水 Bluetoothイヤホン Zoomなどリモート会議 テレワーク 在宅勤務に使用可能 Alpine White

注目ポイント

  • 上質なサウンドクオリティ
  • 安定した装着感
  • マルチポイントペアリング
  • USB-C充電ポート搭載

個人的に注目したいポイントは上の4つ。

AfterShokz製品のなかで一番の廉価版とはいえ、大事なところは妥協しておらず、かつ幅広い用途やシチュエーションで使えるよう設計されていることがポイントです

仕様・スペック

型番:AS660周波数特性:20Hz – 20kHz
骨伝導技術:第7世代の骨伝導テクノロジー防塵防水:IP55
チップ:QCC3024重量:29g
Bluetooth® バージョン:Bluetooth® v5.0電池:充電式リチウムポリマー電池
対応プロファイル:HSP, HFP, A2DP, AVRCPバッテリー容量:135 mAh
周波数帯域:2402 – 2480MHz連続再生時間:6時間以上
最大RF出力:4dBm連続待機時間:10日間以上
最大通信距離:33 ft (10m)充電電圧:5.25V ± 5%
スピーカーインピーダンス:8.0 ± 0.5ohm充電時間:約2時間
スピーカー感度:96 ± 3dB充電タイプ:USB-C
マイク感度:-40 ± 2dB保証期間:2years
出典:aftershokz.jp

AfterShokz OpenMoveレビュー

AfterShokz OpenMove 外箱
AfterShokz OpenMove 内容物 同梱物

それでは実機を見ていきましょう。

外観・デザイン:シュッとミニマル

AfterShokz OpenMove 本体全体像

2020年12月に新色のブルーとピンクが出たばかりですが、今回レビュー用にご提供いただいたのは「ホワイト」です。

AfterShokz OpenMove 本体 右側
AfterShokz OpenMove 本体 左側

白と淡いグレーの組み合わせが上品です。

左右両方にAfterShokzのロゴがあります。

AfterShokz OpenMove 本体 左側のマルチボタン

左の外側、グレー部分が若干浮いているのがわかりますでしょうか。これ、マルチファンクションボタンです。

こういう「目立たなさ」がスッキリ上品な見た目に一役買っているのでしょう。

AfterShokz OpenMove 本体 左側下のボタン類
AfterShokz OpenMove 本体 左側下のUSB-C給電口

右の下側に各種操作ボタンやUSB-C給電口がまとまっています。

外側ではなく下側に配置することで外側の見た目をスッキリさせています。

また当時に、親指と人差指で挟みこむ形でボタンを押す形になるので、ボタン操作時にOpenMoveがズレることもなくなります。

工夫が光るデザインです。

AfterShokz OpenMove 本体 イヤホン部分は磁石でくっつく

なお、イヤホン部分は磁石が仕込まれており、近づけるとくっつきます。

機能・操作性:一通りできる

ボタンごとの機能

主要な操作方法を抜粋して紹介すると、以下の通り。一通り全部できる感じです。

  • マルチファンクションボタン
    • 1回押し:音楽再生/停止
    • 2回押し:曲送り
    • 3回押し:曲戻り
    • 2秒押し:音声アシスタント呼び出し
  • 音量+ボタン
    • 1回押し:音量アップ
    • 2秒押し:電源オン
    • 3秒押し:電源オフ
  • 音量-ボタン
    • 1回押し:音量ダウン
  • 同時押し
    • 音量+/-2秒:マイクミュート切替
    • 音量+/-3秒:イコライザモード切替

イコライザモード

3種類のイコライザモードを選択できます。

  • ノーマルモード:標準モード
  • ボーカルモード:ボーカルが若干強め
  • イヤープラグモード:高音に全振り

イヤープラグモードが高音に全振りなのは、耳栓をつけた状態で骨伝導イヤホンを聞くと低音がめちゃくちゃブーストされるから。

耳栓をつけた状態で「ノーマルモード」と同じように聞こえるバランスになる、ということです。

Bluetooth接続:マルチポイントペアリングが嬉しい

AfterShokz OpenMoveのBluetooth接続画面 AACなど高音質コーデックは対応なし
AACやapt-Xには対応していない

接続速度・維持力

初回ペアリング、電源オン時の接続スピード、その後の接続維持力とも、問題ありません。

接続維持力については、1.5mほど先にWiFiアクセスポイントがあったり、6〜7個のBluetoothデバイスが電波を飛ばしているような環境であれば、一度も途切れませんでした。

十分な安定性・維持力だと思います。

マルチポイントペアリング

2台のデバイスと同時接続できる「マルチポイントペアリング」に対応しています。

これにより、

  • 普段はPCの前で仕事のWeb会議に入る
  • どうしても席を外すときは、会議をスマホに転送してスマホから継続参加する

というケースにおいて、わざわざBluetoothイヤホンをPC→スマホにつなぎ直さなくてよくなります。

たとえばテレワークの場合、どうしても家の用事をこなしつつ会議に出なければならないこともあるでしょう。

そういうとき、マルチポイントペアリングは強い味方になります。

装着感:メガネとの干渉に注意

耳の後ろ上あたりからスチャッと落として装着します。

つけやすい一方、つけ続けるとき気になるポイントである

  • 締め付け感
  • メガネやマスクとの干渉

の2点で、実際どうなのか、お話します。

締めつけ感

若干締め付けが強いかな?と感じます。

理由はおそらく、普段仕事のインカムに使っている骨伝導イヤホン「AfterShokz OpenComm」のマイルドな装着感に慣れていたから。

OpenCommは業務用に特化しているので、8時間以上つけっぱなしで使うことを前提に、締め付けが緩く作られています。

一方OpenMoveは、Aeropexと同じくスポーツやワークアウト中にも使われることを前提で作られています。なのでそのぶん締め付けがしっかりしています。

そのため、移動中やスポーツシーンで骨伝導イヤホンを使っている人には普通の強さに感じるものと思います。

メガネやマスクとの干渉

セルフレームなど肉厚なメガネだと干渉します。

OpenMoveは、耳にかける部分に結構な厚みがあります。

なので、たとえば「メガネの耳部分をOpenMoveの上に乗せる(またはその逆)」という形にせざるをえません。

なので、

  • メガネをズラす → 視界が歪む
  • OpenMoveをズラす → 音が歪む

の2択を迫られてしまいます。

一方マスクは干渉しません。マスクのヒモは細いので、いい感じに避けてくれます。

ただ「メガネ+マスク+OpenMove」と重ねたときは、どの順番でつけ外しするかを頭の中で整理しておかないと、マスクが絡まったりします。(これはどの骨伝導イヤホンでも同じ)

NAE
NAE

高級ラインであるAeropexやOpenCommはメガネやマスクと干渉しません。ここが廉価版たる理由なのでしょう

スピーカー音質:優秀

骨伝導イヤホンは、普通のイヤホンと違い、鼓膜まで音が届くまで骨や皮などいろいろな障害物を通ります。そのぶんイヤホンより音質は落ちて当たり前です。

しかし、AfterShokz OpenMoveは普通のイヤホンと同じ感じで音質レビューができてしまいます。この時点で相当レベルが高いです。

……という前提で以下のレビューをお読みいただければと思います。

OpenMoveの音質は、値段が2倍するAfterShokzの他の高級機種と遜色がないレベルで良いです

音量バランスは、高>中>低。

普段低音が強めのイヤホンをよく使う管理人には、若干高音のシャカシャカ感が目立つと感じました。

が、ナチュラル・フラット系のイヤホンを使っている方には自然なバランスに感じられると思います。

音はだいたい頭の中央で鳴っている感じ。ただ音源側が意識して左右を鳴らしわけしている部分や、意図的に奥行きを出している部分はしっかりと表現できています。

なお、臨場感や没入感はいまひとつ。外音が同時に聞こえる構造が関係しているのでしょう。とはいえ、そもそも骨伝導イヤホンは音楽に没入したい人向けのものではないので、これはこれで当たり前。

音域別の印象は、以下のとおりです。

高音域

若干、シャカシャカ感が目立ちます。

ただ粒度や音場の広さは優秀で伸びも良いです。水が落ちる音などの自然音はかなりキレイに鳴らしてきます。

中音域

ボーカルはしっかりしています。ボーカル以外の音色が布団2〜3枚くらい挟んだ向こう側にいるイメージです。

分解能はいまひとつなので、全音域で音を重ねると中音域が埋没します。シンセゴリゴリの打ち込み系の楽曲はおすすめしません。

低音域

ベースの響きや「ボンボン」という地鳴り系の迫力音はかなり弱いです。

ただ、バスドラムの音圧は通常のイヤホンと違う「トントン」という独自の感覚で伝わってきます。

骨伝導という仕組みのなかで最大限の表現努力をした結果こうなったのでしょう。

マイク音質:ビジネスユースに耐える水準

集音能力がめちゃくちゃ高いです。声を張らなくても相手に十分な音量で声が通じます。

またCVC8.0ノイズキャンセリングが乗っていることから、自分が話しているときは周囲の雑音をそれなりにカットしてくれます。(話していないときはわりと拾いますが気になるほどではありません)

仕事のWeb会議で十分使える水準のマイク音質だと思います。

音漏れ・振動:ほぼ気づかない

骨伝導イヤホンのレビューでいろいろな人が気にしていたのが

  • 音漏れしないのか?
  • 耳元の振動感は?

の2点だったので、確認してみました。

音漏れ

静かな部屋で耳から30cmくらいの距離に近づかないと聞こえない、くらいのレベルです。

生活音の中や街の雑踏、空いている電車で使うぶんには、音漏れは気にしなくてOKです。

さすがにぎゅうぎゅう詰めの満員電車の中だと隣の人に聞こえてしまうかもしれません。が、そもそも3密回避ですし、ね。

耳元の振動

音量最大にしない限り、気になりません。

BGMで音楽を流したり、仕事のWeb会議で使ったりの用途で十分に聞こえる水準の音量で使ってみましたが、耳元が振動でくすぐったくなることはゼロでした。

バッテリー:USB-C対応が嬉しい

AfterShokz OpenMove 本体 充電中のLED

連続通話が最大6時間、待機時間240時間。

1日ずっとWeb会議など極端な状況だとつらいものの、休み時間に充電できる状況であれば1日持たせられる水準です。

USB-Cで充電できるので、手持ちの汎用ケーブルで充電できるのが嬉しいポインです。

NAE
NAE

専用ケーブルだと持ち歩きが不便なので、USB-Cなのは助かります

防水防塵:IP55

IP55等級の防水・防塵機能を備えています。

ざっくりいうと、雨やシャワーなら大丈夫だけど水没は勘弁してね、ということ。

ワークアウトやジョギングで使って、そのままシャワーを浴びてしまう、みたいな使い方もOKです。

保証:2年間

AfterShokz OpenMoveには2年のグローバル長期保証がつきます。

1万円近いアイテムなので、保証がしっかりしているのは安心です。

AfterShokz OpenMoveに9,000円の価値はあるのか?

骨伝導イヤホンで音楽を嗜む人であれば価値を感じられると思います。が、そうでない人には価値が伝わりづらい(求めているものとのギャップが大きい)ように感じます。

実はちまたにはさまざまな骨伝導イヤホンがあるのです。

値段帯は幅広く、なんと実売価格で1,500円台のものまであります。

参考 Amazonの「骨伝導イヤホン」の検索結果

しかしよーーーーくAmazonレビューを見てみると、5,000円台までの激安系骨伝導イヤホンは

  • そもそも骨伝導ではない(耳の近くでスピーカーを鳴らしているだけ。耳栓をすると聞こえなくなる)
  • 音漏れがひどい(骨伝導ではあるが、全方向に音が散っている)

という意見がちらほら。(そもそも骨伝導じゃないやつはだいたい「令和最新版」系)

しかしそれら、実は評価自体は結構高いんです。

理由は、通話や「ながら聴き」がメインな人が骨伝導イヤホンを選んでいるから。

たとえばウーバーイーツの配達員の方から「一日中付けっぱなしでピックアップもドロップもできる」という意見があがっていたり、はたまた「作業中・歩行中・運転中に良い」というレビューがあったり。

要するに、その人たちが求めているのは骨伝導イヤホンではなく、外の音も聞こえつつ通話やBGMができるウェアラブルスピーカーなんです。骨伝導というテクノロージーにこだわる必要も、音質にこだわる必要もなありません。

一方、初めての骨伝導イヤホンに9,000円出せるかと言われると、そんな勇気はなかなか出ないわけです。やっぱり5,000円くらいまでですよね、エイヤッと出せるのは。

そこがOpenMoveにとって痛いポイントでして。ターゲットとしている骨伝導イヤホン初心者にとって、自分にとって本当に必要なポイントではないかもしれない「(本当の)骨伝導」「高音質」に+4,000円払いますか、と言われると、Noなんですよね。

だから、OpenMoveに9,000円の価値を感じられるのは、音漏れや音質など、骨伝導に「質」を求める人=骨伝導イヤホンで音楽を嗜んだ経験がある人、になってきます。

以上をまとめると、

  • よく知っている人からすると「ノールックで買っとけ」レベルの価値がある
  • 知らない人からすると「いや9,000円は高いって」くらいの価値にしか見えない

です。難しいですね。

NAE
NAE

5,000円台の骨伝導イヤホンからステップアップしたい人向け、とかになるんでしょうか

AfterShokz OpenMoveはこんな人におすすめ

  • 「骨伝導イヤホン」という言葉を知っている
  • 重視すべきは値段より品質だ
  • 初めてのジャンルは定番ブランドを選びたい

まとめ:骨伝導イヤホン初心者に刺さる……のか?

総合評価:

個人的には好きなんですが、評価が難しいアイテムだと思いました。

ぼくは毎日骨伝導イヤホン「AfterShokz OpenComm」を使っており、骨伝導イヤホンの特性や使いみち、良し悪しもだいぶわかるようになりつつあります。

なので、OpenMoveが良いものであることは理解できますし、「9,000円するけど買って損しないよ」と言うことはできるのですが、OpenMoveがターゲットとする骨伝導イヤホン初心者にとってOpenMoveがベストチョイスだと言い切れななのです。

むしろ「まずは3,000円くらいの自称骨伝導イヤホンを試してみて、本当に自分が求めているものがなにか見極めてみたらどう?」と言ってしまいそう。

なので、(人に自信をもってベストだと勧められるか?という意味での)評価が難しく、その意味で★-1つとしました。

・・・

あ、でも骨伝導イヤホンがどんな感じかをある程度知っている人なら、買って損はないですよ。

ターゲット層を一切考えずにモノだけで見るなら、とても良いものですので。

以上「AfterShokz OpenMoveレビュー | モノは良いがターゲット層に刺さるかが不安な「初心者向け」骨伝導イヤホン」でした。

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