Claude Codeで仕事のやり方が変わった。でも本当に変えなきゃいけないのはその先の話だと思っている

ぼくは本業コンサルタントなんですが、コンサルの仕事をしながら、ずっと違和感を持ち続けていました。パワポを綺麗に仕上げる時間、エクセルで集計を整える時間——これ、本当に必要な仕事なのか?という感覚です。

それが最近Claude Codeを使い始めて、その違和感がようやく解消されつつあります。 ただ同時に、「仕事が速くなった」で満足している場合ではないとも強く感じています。

現時点の考えをまとめておこうと思います。

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ぼくの仕事の前提

ぼくはいわゆるコンサルティング企業に勤めています。主な成果物はパワーポイントとエクセル。メモはテキストエディターやOneNoteで、AIチャットはCopilotやGeminiを使っています。

で、ずっと思っていたのが、情報の本質は箇条書きで書けるレベルのもので、エクセルやパワポへの変換はあくまで「人間の認知に合わせた表現レイヤーの変換にすぎない」 ということです。このブログの執筆では基本マークダウンを使っていて、レビュー依頼元その他とのやりとりでもパワポやエクセルなんて浸かってなくて、それで必要十分なんです。

だから2年ほど前にLLMが勃興してマークダウンがスポットライトを浴び始めた時、本気でワクワクしたのを今でも覚えています。その昔Amazonが社内資料のパワポを禁止してワード統一にしようとした話があって、周囲の「それは極端すぎ」という反応をよそに、ぼくは「みんなやればいいのに」と密かに思っていたタイプなので。

今のぼくのデフォルトフロー

普段開いているのはVS CodeとClaude Codeの2つ、それからAIチャット画面がほとんどです。パワポとエクセルを開くのは、どうしても最終的に手を入れなければならない時だけになってきました。

フローはこうです。

  1. 考えをAIチャットに勢いよく打ち込み、ツッコミを入れてもらいながら骨格をクリスタライズ
  2. その結果をマークダウンにまとめてもらう
  3. Claude Code上でPythonスクリプトを走らせてパワポやエクセルを自動生成
  4. 出力物を自分でレビューして品質確認してから送付

エクセルやパワポは「生成される成果物」であって、ぼくが直接触るものではなくなってきています。

なぜこれで仕事が速くなったのか

で、実際どうなってきているか。具体例をいくつか話します。

ベストプラクティス共有が「3時間→15分」に

わかりやすい例が、クライアントからのこんなリクエストです。「この領域のベストプラクティス、何か知ってるものあったら教えてもらえない?」

以前はこうでした。社内資料をあさって、使えるもの・使えないものを仕分けして、クライアントに出せる状態にサニタイズして、体裁を整えてパッキングする。普通に2〜3時間かかる作業です。

今はこの一連の流れをAIエージェントのスキルとして実装しています。「この領域のベストプラクティスをまとめてほしい」と投げると、調査→整理→サニタイズ→資料化まで流れていく。ぼくがやるのはアウトプットの品質確認だけです。同じ成果物が15〜20分で出てきます。

レビュー会の「6〜7割」がAIで代替

壁打ちには、必ず「どんな角度から突っ込んでほしいか」「どういう視点で正しさを評価してほしいか」をセットで指示するようにしています。

これまでは社内の専門家を探して、レビュー会をセットして、意見をメモして、資料に反映して——という流れを繰り返していました。正直、そこで出てくるフィードバックの6〜7割は「一般論として視点が抜けているところ」 です。それはAIが一瞬でカバーしてくれます。

もちろん、レビュアーが個人的に持っている世界観(視点や視座)や、まだオープンになっていない事例に基づくフィードバックはAIには出せません。ステークホルダーへのヒアリングをゼロにはできない。ただ、「一般論を言われるだけで終わる徒労」は完全に消せるようになりました。

そのうち社内レビューは品質を上げる行いではなく単なる根回しの場に成り下がるのではないか、とさえ思います。

AIエージェント組織の2階層がすでに動いている

Claude CodeのSkillsという仕組みを使うと、「これスキル化しといて」と指示するだけで、そのスキルを持ったエージェントが次のタイミングから呼び出せるようになります。

今ぼくは、ディレクションを担うエージェントとタスクを遂行するエグゼキューションエージェントの2層構造を作って動かしています。それをさらにサブエージェントとして連携させると、ちょっとした組織として機能し始める。まだ2階層ですが、3階層も試してみたいですし、その組織のミッションステートメント(システムプロンプトの中身)を変えることで、まったく異なるアウトプットを出せる「別の組織」になる。自分がオーナーで、AIが組織として働くという構造が、技術的には今すでに揃っています。

マークダウンが「共通表現」になる(といいなあ)

今は人間が読む資料がパワポやエクセルの形をしているので、AIがそれを読んで解釈し、扱いやすい形に変換した上で処理を進めています。でもぼくは、そのうち主役が反転すると思っています。AIがやり取りしやすいマークダウン形式に、人間のほうが合わせていく時代が来る。

バイブコーディングと呼ばれる、自然言語で雰囲気を伝えてコードを書いてもらうあの流れでも、やり取りの中心はマークダウンです。それが「バイブビジネスオペレーション」のような形でコンサルの仕事にも広がっていくと思っています。

要するに、エクセルやパワポは「マークダウンで書かれた情報を人間が読みやすく変換したもの」になる。変換する作業はAIがやればいい。ぼくたちが触るのはマークダウンで十分です。

とはいえ、2026年3月時点ではまだ資料を読む相手の9割以上は人間で、人間が読みやすい体裁で出した方がいいのも事実です。パワポを完全にやめることは今すぐはできません。ただ「パワポを自分で作る」ことは、もうやめられる段階に来ていると思っています。

「パワポ職人」が淘汰される未来

少し昔の話になりますが、コンサル業界に入って2〜3年目で辞めた人の退職エントリに「パワポとエクセルが上手になりました」と書いてあって、「それがコンサルで学ぶことかよ」と一部で揶揄されていた、という事案がありました。

これ、ぼくは業界側に問題があると思っています。若手にパワポのショートカットを覚えさせて、オブジェクトの整列を直させて、それを「基礎スキル」と呼んでいたのは他でもない業界側なんですから。

その昔、とある先輩から「紙を書く前に、まず日本語で言いたいことをクリスタライズされた形で言語化しろ。思考の中身こそが大事で、紙はそれを表現に落とすものだ」と言われたことがあり、そっちこそが正しいはずなんです。一方で、当時の「紙書きの修行」の半分以上が、パワポの操作スキルやデザインの習得にあてられていたのも事実。 そこがずっと違和感でした。

AIがパワポを自動生成できる前の世界では、表現を作り込むところに自分の脳みそのリソースを使うしかありませんでした。でも今は違います。パワポの上のオブジェクトがずれているのを直すためにわざわざ頭と手を動かす必要はない。ビジネス判断の本質——課題を浮き彫りにする視点の取り方、事実の解釈する角度、深掘りポイントの選択、メッセージの方向性——そこにだけリソースを使えばいいし、そこが価値の源泉のはずなんです。

これは、ソフトウェア開発でコーダーと呼ばれているプログラマたちがAIコーディングで一掃されていったり、イラスト業界でクラウドソーシングで1枚3000円で描いていた人たちがAIに置き換えられていったという話と同じ構造です。コンサル業界、というよりホワイトカラーの世界で全く同じことが起きると思っています。

ただ「仕事が速くなった」で満足している場合ではない

となると、マークダウンベースで仕事を進めて、パワポやエクセルをAIが自動生成してくれて、それが嬉しい——で止まっているようでは、たぶんまだ足りません。

コンサルが長年溜め込んできたフレームワークや課題分析の手法は世の中に出回って久しいですし、世界をどう切り取るかの観点はThought Leadershipという形で外部にレポートとして外部放出されています。そのナレッジをAIに取り込んで、自社が直面している事象に当てはめて、示唆を出して、行動計画に落とす——この一連の流れは、みんなが超絶優秀な24時間稼働の部下

コンサルが長年溜め込んできたフレームワークや課題分析の手法は世の中に出回って久しいですし、世界をどう切り取るかの観点はThought Leadershipという形で外部にレポートとして外部放出されています。そのナレッジをAIに取り込んで、自社が直面している事象に当てはめて、示唆を出して、行動計画に落とす——この一連の流れは、みんなが超絶優秀な24時間稼働の部下(AI)を持っている状態であれば、今すでにできるはずです。

今はまだAI格差があります。ファーストペンギンとして最先端を走っている人とレイトマジョリティの間には明確なギャップがある。でもこの流れは止まらないでしょう。

その先にあるのはきっと、全員が個人事業主か経営者のように動く世界 です。AIエージェントを自分の配下の組織として働かせて、商売の嗅覚や世界の見方、誰に何を提供すると喜ばれるかという判断だけが人間の仕事になる。それが10年後かもしれないし、もっと早いかもしれない。ぼくがまだ生産年齢人口でいる間に来てしまう可能性だって十分あります。

だから今、AIありきでビジネスオペレーションをフルで自動化するのに振り切らないといけないし、そのためにAIエージェント組織を作って動かす実践をしなければならない。マークダウンベースで仕事を進めるのはその初手にすぎない。自分自身のビジネスパーソンとしての消滅する危機すらあるとホンキで思っています。

まとめ

  • マークダウン中心で本当の中身を考え、AIがパワポ・エクセルに変換するフローに切り替えた
  • ベストプラクティス共有が3時間→15分になるなど、具体的な高速化を実感している
  • レビュー会の6〜7割はAIの壁打ちで代替できた。残りは対人で拾う
  • パワポ職人などの伝統的なスキルはすぐ淘汰される。コンサル業界も例外ではない
  • ただ「仕事が速くなった」で止まると危ない。その先の市場価値の話こそが本題

ぼくのやろうとしている「オレオレAIエージェント組織」はまだ入り口です。仕事のやり方が変わったというより、自分がどこで価値を出すかを根本から問い直している最中、というのが正直なところです。

あなたがコンサルでなくても、ホワイトカラーのビジネスパーソンであれば同じ問いはいずれ来ると思います。早めに考え始めることを、強くおすすめしたいです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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