楽天モバイルは、2019年10月から順次自社回線へ切り替えられていきます。
海外SIMフリースマホユーザとしては、海外SIMフリースマホでも楽天モバイル自社回線を使えるのか?が気になるところ。
本記事では、調べた結果を共有します。
ぼくと同じく、楽天モバイルを検討している海外SIMフリースマホユーザのお役に立てればと思います。
※2020-05-18追記:その後楽天の自社回線サービスに乗り換えました。実証結果はこちら↓
スマホで回線が使えるための条件
アンテナが電波帯(バンド)に対応していること
スマホのアンテナが、回線業者が使う電波帯(バンド)を受信できる必要があります。
そもそも電波を受信できなければ、物理的に通信ができないからです。
ファームウェアが回線に対応していること
物理的に電波が受信できても、受信した電波を正しく解釈するソフト=ファームウェアがないと、通信はできません。
「電波的には010110101010010だけど、なに言ってるか全然わからない」という状態になってしまう、ということです。
APNが正しく設定されていること
電波で送られてきたデータを解釈できたとしても、正しく通信するにはもうひと押し必要です。
それがAPN。「この事業者のデータ通信サービスを使うよ」という定義を指します。
楽天モバイル自社回線×海外SIMフリースマホの場合
電波(バンド)、ファームウェア、APN設定。
この3つが揃わないことには、スマホは回線を使った通信ができません。
楽天モバイル自社回線と海外SIMフリースマホの場合、どうなるか考えてみました。
電波(バンド)対応→OK
楽天モバイルは、総務省からBand 3と呼ばれる電波帯(1.7GHz帯:1825-1845MHz)の割り当てが決定しています。
Band 3に対応したアンテナは、「グローバルバージョン」と呼ばれる海外SIMフリースマホにはだいたい搭載されています。
電波(バンド)への対応は、ほとんどの場合、心配無用です。
ファームウェア→難しそう
ファームウェアは鬼門です。
理由は、ファームウェアは各スマホメーカーが作るものだから。
日本での販売予定のない海外SIMフリースマホなのに、日本だけにしかない楽天モバイル自社回線にわざわざ対応させる意味がありません。
実際、楽天モバイルのカスタマーセンターにファームウェアの件を問い合わせた人によると
- 楽天回線を使うには特別なアップデートが必要
- メーカーと確約取れたもの=発表済の対応端末
- 各メーカーとは引き続き交渉中
とされています。
海外SIMフリースマホ用ファームウェアの楽天モバイル自社回線対応は、期待薄です。
APN設定→OK
APN設定は、Androidの設定から自前で変更できるので問題ありません。
海外SIMフリースマホで楽天モバイルを使う方法
自社回線でなく、現行のドコモ・au回線を使い続ける
楽天モバイルは、自社回線(MNO)への切り替え後も、ドコモ・au回線を間借りする今の形(MVNO)も継続する、としています。
※SIMカードを交換していただけない場合でも、楽天モバイルのネットワーク(MVNO)を継続してご利用いただけます。
つまり、自社回線への切り替え案内として送られてくるSIMカードを無視して今のSIMカードを使い続ければ問題ない、ということ。
ただ同時に、「なるべく自社回線に移行せよ」と案内が出ているのも事実です。
2019年10月以降、順次自社回線(MNO)への移行を推奨いたします。
なので、ドコモ・au回線を間借りする今の形がいつまで使い続けられるかは不明です。
ROMを焼く
楽天モバイル自社回線向けファームウェアを搭載したROMが仮に出回ったら、それを手持ちのスマホに焼いてしまうのも手です。
ただこの方法、玄人向けです。失敗したらスマホが文鎮化します。
なので、
- 「ROMを焼く」という単語にピンとくる
- 自前でトラブル対応ができる
- 最悪スマホが再起不能になっても泣かない
という人のみトライすべき選択肢といえます。
まとめ:楽天モバイルを使うならMVNOで
まとめます。
現実的には、自社回線への強制切り替えまでドコモ・au回線のMVNOで使い続けるのが正解です。
もしくは、海外SIMフリースマホ×楽天モバイル自社回線にトライする「人柱」を待ちましょう。
以上「楽天モバイルの自社回線、海外SIMフリースマホだと使えない可能性が濃厚」でした。
2020年に開始される5G通信の電波も割り当てられています (参考)