イヤホン・ヘッドホン

PINOレビュー | 聞き飽きた音楽に気づきをもたらす、再発見系完全ワイヤレスイヤホン

4.0

提供:Mercury

Mercury様のご厚意で、Makuakeでクラウドファンディング中の完全ワイヤレスイヤホンPINOを先行レビューさせていただけることとなりました。

PINOは「没入感」をキーワードに開発されており、そのために2つのテクノロジーが盛り込まれています。

  • アクティブノイズキャンセリング(ANC)
  • アンビソニックス
NAE
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アンビソニックス?

アンビソニックス」とは、VR(仮想現実)向けの音響技術の1つ。現実世界と同じ360度からの音響を録音・再生可能とするもの。要するに「超リアルな臨場感が出るサラウンド技術」ということ。

このアンビソニックス、実はイヤホンへの搭載は、高級メーカーのゼンハイザーくらいしか取り組んでいません

PINOはそこにチャレンジし、さらにアクティブノイズキャンセリングも乗せることで、ダブルで没入感を高めようとしているのです。

実際に聴いてみると、もうめちゃくちゃすごいです。1つ1つの音の位置が明確にわかります。

だからこそ、聞き慣れた音楽ですら、これまで聞こえいなかった音が聞こえて「マジかよ」「こんな細かいところまで音の工夫をしてたのか」という気づきがいっぱい。

好きな音楽をヘビーローテしている方にこそ、「ANC×アンビソニックス」なPINOはおすすめです。

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本記事は商品提供を受けて作成しています

PINO完全ワイヤレスイヤホンの概要

PINO完全ワイヤレスイヤホンの概要
出典:Makuake

注目ポイント

  • ANC×アンビソニックスによる没入感
  • ENCによるクリアな音声

完全ワイヤレスイヤホンといえば、流行りのANC(アクティブノイズキャンセリング)がフィーチャーされがち。

しかし実際に使ってみると、PINOの一番の魅力は音質であることがわかります。

理由は、全天球型サラウンド「アンビソニックス」により実現される、高精度の立体音響。

具体的な聞こえ方は……実機レビューにて。

仕様・スペック

  • 搭載チップ:Bes2300
  • ノイズキャンセリング性能:最大35dB
  • Bluetoothバージョン:5.0
  • Bluetoothコーデック:SBC、AAC
  • Bluetoothプロファイル:A2DP、HFP
  • インピーダンス:Φ10mm
  • スマートパラメーター:16Ω±15%
  • 再生周波数:20Hz~20kHz
  • 通信距離:最大10m
  • イヤホン電池容量:245mAh
  • 連続再生時間:4.5時間
  • ケース電池容量:750mAh
  • ケース充電時間:100分
  • 充電時間:50分
  • 充電規格:USB-C
  • 素材:ABS・PC

PINO完全ワイヤレスイヤホンレビュー

PINO完全ワイヤレスイヤホンの付属品 ケース ウレタンフォームのイヤーピースが2つ、樹脂のものが1つ

それでは実機レビューです。

※開発中の試作機のため、化粧箱による梱包はありませんでした

※最終的にはデザインや機能が変更される可能性がある点、ご承知おきください

外観・デザイン:ロゴすらないシンプルさ

PINO完全ワイヤレスイヤホンのケース正面のボタン

前面は、ツルッと黒無地にボタンが1つ。

PINO完全ワイヤレスイヤホンのケース背面

裏側はちょうつがい部分のみ銀色。

きわめてシンプルです。

PINO完全ワイヤレスイヤホンのケース底面のUSB-C口

底面にはUSB-Cの充電口がついています。

PINO完全ワイヤレスイヤホンのケースを開けてみた様子

フタをあけると、こんな感じ。

PINO完全ワイヤレスイヤホンのケースを開けてみた様子を上から見たところ

スチャッと格納。磁石で吸着されているので、逆さまにしても落ちません。

イヤホン自体は指先でつまみやすく、取り出しやすいです。

PINO完全ワイヤレスイヤホンの背面デザイン
PINO完全ワイヤレスイヤホンの内側

イヤホン本体は、内側は黒、外側はダークグレーのツートンカラー。

PINO完全ワイヤレスイヤホンの上側 マイクの穴
PINO完全ワイヤレスイヤホンの横側 マイクの穴が2つ

外側の各所にマイクが仕込まれています。ANCのためでしょうか。

PINO完全ワイヤレスイヤホンの外側 LEDは白い

起動時は、外側の白色LEDが点灯します。

機能・操作性:簡単で覚えやすい

PINO完全ワイヤレスイヤホンの操作ガイド
出典:Makuake

左右イヤホン、それぞれタッチコントロールで操作します。

なおケースのボタンは、イヤホンを入れた状態で5秒押しすると、ペアリングモードになります。

特に難しいパターンがなく、覚えやすいのが嬉しいところ。

接続:そこそこ早いし安定

AAC対応

ケースから出すと自動ペアリング。

つながるまで早く、接続先切り替えもスムーズで、途切れません。

ペアリング・接続スピード

ペアリング時も、ペアリングしたデバイスとの再接続時も、スムーズです。

一度ペアリングすれば、ケースから取り出した瞬間に接続完了。

接続維持力

スマホとペアリングし、2枚ドアを挟んだ向こう側に移動しても切れませんでした。

またBluetoothと電波帯が競合する2.4GHzのWiFiアクセスポイントのすぐ近く(1mくらい)でも、瞬断は起きていません。

接続維持力は上々です。

接続先の切替

ペアリング済のデバイス間で接続先を切り替えるには、

  1. 接続先デバイスで、接続解除
  2. PINOが自動的に接続先を探し始める
  3. 新たな接続先で、PINOと接続

とすればOK。

特に遅延も引っかかりもなく、スッと切り替わり、ストレスはありません。

接続時アナウンス

Bluetooth接続したとき「Device Connected」とアナウンスが流れるのですが、その音声がやたらサイバー感あふれていて、個人的にグッときました。

装着感:クセがある

イヤーピースが耳穴にフィットする付け方を見つけるのに、だいぶ苦労しました。

他のイヤホンだと、「うどん」部分を下に向けるとちょうどフィットするのですが、PINOの場合「うどん」部分を正面に向けて斜め45度くらいに持ち上げないとフィットしませんでした。

かつ、「うどん」部分が長いので、端っこがずっともみあげに触れている感じに。

ぼくの耳の形の問題かもしれませんが、ちょっと装着感はイマイチでした。

スピーカー音質:音楽を再発見できる

PINO完全ワイヤレスイヤホンのアンビソニックス 全天球型サラウンド
出典:Makuake

第一印象は

アンビソニックスすごい

です。

あらゆる音色の居場所が決まっているがごとく、1つ1つの音がつぶさに分離。

距離感、臨場感、すごいです。それだけ音楽に没入しやすい。

中田ヤスタカ系の音楽など、多くの音が重なる楽曲を聴くと、「こんな音がこんなところで鳴っていたのか」と気づかせられます。

昔聴いていた、聞き飽きたと思っていたあの曲を、もう一度聴きたくなる音質です。

なお音量バランスは、高=中<低。音域別のインプレッションは以下のとおりです。

高音域

細やかできらびやか。広がりも奥行きも文句なし。

水の落ちる音や波音、小鳥の声など、高音メインの環境音は本当にリアルに聞こえる。

ただ響き渡り方が若干甘いせいか、スネアドラムの音が空間に広がりサーっと溶けていく感触は感じられない。

中音域

ボーカルと伴奏の区切りがはっきりしている。

ボーカルはカーテン1枚向こうにいる感じで、グラマラスさはあまり感じず、フラット。

一方伴奏は、主たる楽器以外であっても1つ1つ音色が聞き分け可能。

それぞれの楽器に「これは右前」「こっちは真ん中」と場所が割り当てられているように感じる。まさにサラウンドそのもの。

低音域

弾みが良く、音圧は十分。

ただし音は丸いため、耳奥を突くようなピンポイントのパンチ力は感じにくい。

なお低音にしては珍しく、音色の鳴らし分けが秀逸で、バスドラムに隠れて「なんとなく低音が鳴っている」となりがちなベース・ギターの音色がくっきりはっきり聞こえてくる。

アクティブノイズキャンセリング:優秀

いくつかのシチュエーションでノイキャン性能をテストしたところ、

  • 指パッチン:距離1mなら気づくくらい
  • 床を踏む音:ほぼ聞こえない
  • トイレを流す音:半分くらい消える
  • 子供の泣き声:あまり消えない
  • キーボードの打鍵音:かろうじてカチャカチャ聞こえる

という感じ。

低~中音域の打ち消しに強いようです。

マイク音質:まばら

ENC(Environmental Noise Cancelling)による雑音除去を搭載しているのですが……

テストした範囲では、

  • たしかに雑音除去力は高い
  • ただし基礎的な集音能力は低め

でした。

具体的には、自分の声はわりと遠くこもって聞こえます。

仕事のWeb会議などで意思疎通するぶんには問題ないかもしれませんが、動画配信や実況に使える水準ではなさそうです。

たぶんマイク自体が、アクティブノイズキャンセリング向けにチューニングされているのでしょう。

そういう性能バランスのイヤホンなのだ、ということです。

電池の持ち:少し控えめ

公称4時間。2020年後半の完全ワイヤレスイヤホンとしては、短い部類です。

ただ1日ずっと使い続けない限り、気にならないレベル。

通勤・通学向けに使い、毎晩忘れず充電すれば、問題ないでしょう。

防水・防塵:IPX4

IPX4に適合。防滴レベルなので、水に浸けたりシャワーを浴びせるのはNG。

あくまで、多少汗がかかっても大丈夫、くらいに思っておくのが安全です。

保証:1年の国内保証

Makuakeで支援すると、1年間の国内保証がついてくるようです。

初期不良品は交換対応してくれるとのことなので、安心して支援できるかと思います。

実際に使ってみた感想

PINO完全ワイヤレスイヤホンのオーディオプロファイル
PCにつなげてみた

せっかくENCというマイク向けのノイキャンがついているので、

  • PCにつないで、仕事のWeb会議
  • スマホにつないで、音楽鑑賞

の2シーンで使ってみました。

PCと接続すると、いろいろと安定しない

会議で話す相手の声が、あまり安定しません。常時、マイクを近づけたり遠ざけたりしているようにボリュームが上下し続けてしまいました。

また、Windows PCだと「A2DP」というBluetoothプロファイルに切り替えると、全く音が出なくなります。

A2DPは、音楽を高音質で転送するためのもの。つまりWindows PCにつなぐと、せっかくの高音質がだいなしに。

ぼくのPC固有の問題かもしれませんが、PINOはPCにつなぐと実力が半減してしまうようです。

スマホにつなぐと、本領発揮

しかし、スマホにつないで音楽を鳴らすと一変。

没入感たっぷりのサラウンドサウンドで、耳と脳みそを魅了してくれます。

他にもいろいろイヤホンを持っているのですが、比べてみても「PINOやっぱいいなあ」と思えるレベル。

聴き浸るには最高ですよ、これ。

PINO完全ワイヤレスイヤホンはこんな人におすすめ

  • とにかく音楽に聴き浸りたい
  • 同じ楽曲をヘビーローテすることが多い
  • 音楽を構成する1つ1つの音を聴きわけてみたい

まとめ:聞き飽きた音楽に新鮮さを

総合評価:

アンビソニックスによる全天球サラウンドで、これまで何度も聴いてきた音楽ですら、新しい面が見えてくる。

その意味でPINOは、再発見系完全ワイヤレスイヤホンと呼んで然るべきです。音質面では文句なし。

★-1の理由は、装着感やPCと接続したときの安定性に改善の余地があるためです。惜しい。

ただ、耳の形には人それぞれですし、そもそもPCにつないで使う人は少数派なので、★-1が気にならない人も多いはず。

また本記事の初出時点(2020年8月15日)でPINOはクラウドファンディング中で試作品段階のため、正式版に向けてさらに改善されれば、非の打ちどころのない魅力的なイヤホンに進化していくでしょう。

そんな期待は、Makuake支援という形で開発側に伝えてあげていただければと思います。

以上「PINOレビュー | 聞き飽きた音楽に気づきをもたらす、再発見系完全ワイヤレスイヤホン」でした。

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