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EDIFIER W220Tレビュー | ガチの音響メーカーがガチのインナーイヤー型を作ると音質が異次元

5.0
EDIFIER W220T 完全ワイヤレスイヤホン レビュー

提供:EDIFIER

メーカー様より2022年8月発売の完全ワイヤレスイヤホン「EDIFIER W220T」をご提供いただきました。

EDIFIER W220Tは、

  • 音質面は、正統派オーディオブランドの実力が保証し
  • 音質以外は、Qualcomm Snapdragon Sound認証が保証する

と、抜かりない構成のインナーイヤー型完全ワイヤレスイヤホン。

筐体デザインは好き嫌いが分かれそうではあるものの、実力的には2022年夏発売のインナーイヤー型完全ワイヤレスイヤホンのなかで頭一つ抜けています

見た目より音質と安定性、という質実剛健派の方にフィットすると思います。おすすめです。

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本記事は商品提供を受けて作成しています

EDIFIER W220Tが気になった理由

理由は、EDIFIER W220Tは2つの点で競合のインナーイヤー型完全ワイヤレスイヤホンより優位だと思ったからです。

2022年、SOUNDPEATSやEarFunなどさまざまなブランドからインナーイヤー型の完全ワイヤレスイヤホンが発売されています。

いずれも完成度が高く、たとえば音質面ではインナーイヤー型の弱点である低音減衰をカバーするよう調整されていたり、使い勝手面では専用アプリ対応や充電周りのケアなどがしっかりしていたり。まさに品質勝負の群雄割拠状態といえます。

そんななか、EDIFIER W220Tが他と異なる点が2つあります。

1つ目は、EDIFIERは26年の歴史を持つ真の実力派オーディオブランドであること。

製品ラインナップを見るとわかる通り、EDIFERは据置型スピーカーが主力なガチの音響メーカーです。完全ワイヤレスイヤホンへの進出は2020年くらいから。

ただ、完全ワイヤレスイヤホンにおける音作りのすばらしさは、以前レビューしたEDIFIER NeoBuds Proで証明済。音質面ではまごうことなき本物なのです。

2つ目は、「Qualcomm Snapdragon Sound」認証を取得している点。

Qualcomm Snapdragon Sound認証とは、Bluetooth通信品質やコーデックなどが一定の品質基準を満たすことを示す認証プログラム。要するに、音作り意外はQualcomm Snapdragon Sound認証で品質保証します、ということです。(詳しくはこちらの記事をどうぞ)

つまり、

  • 音作りはEDIFIERの実力が保証
  • それ以外はQualcomm Snapdragon Sound認証が保証

という、抜かりないラインアップになっているのです。

一方で、値段は高め(7,000円台)。音質にこだわりたい人のみが手を出すべき値段帯です。そのぶん期待が高まります。どんな音を鳴らしてくれるのでしょう。

NAE
NAE

スペックや値段的には期待大です

EDIFIER W220T概要

「VGP 2023 受賞」Edifier W220T ワイヤレスイヤホン Snapdragon Sound Bluetooth5.3 cVc ノイズキャンセリング Adaptive aptX Voice 最大24時間再生 急速充電 低遅延 QCC3056チップ搭載 専用アプリ対応 ゲームモード IPX54防水規格 黒

注目ポイント

  • Qualcomm Snapdragon Sound認証
  • 26年積み上げてきた音作り

仕様・スペック

  • チップセット:QCC3056
  • ドライバー:13mmダイナミックドライバー
  • Bluetoothバージョン:Bluetooth V5.3
  • 対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HFP
  • 対応コーデック:スナップドラゴンサウンド、クアルコム aptX Adaptive、Qualcomm aptX 、SBC
  • 通信距離:10m
  • 再生時間:約6時間(イヤホン)+18時間(充電ケース)
  • インプット:5V=200mA(イヤホン) 5V=1A(充電ケース)
  • 周波数応答:20HZ-40KHZ
  • 防水規格:IPX54

その他詳細はAmazonの商品ページからどうぞ。

EDIFIER W220Tレビュー

それではレビューしていきます。

外観・デザイン:好みは分かれる。工夫は光る

ケースも本体も光沢のあるデザイン。好みが分かれると思います。ぼくはあまり好きではありません。指紋やホコリ、細かな傷が目立つためです。

色味的にEDIFIERのロゴが目立っていますが、個人的には気になりません。EDIFIERのロゴ、堅実な感じがして好きなんです。

ただ本体は光沢でもいいかもと思います。理由は耳から落ちにくくなるから。マット加工なものと比べて滑りにくいんですよね。ここは良いポイント。

またイヤホン本体でいうと、スピーカーの位置と作りが独特です。通常より内側を向いているのです。理由はおそらく、耳に入れたときのスピーカーの向き。つけたらわかるんですが、スピーカーが耳の奥を向きます。音が鼓膜を直撃する形。作った音をそのまま届けたい、と主張しているかのようです。(後述しますが、音質重視のデザインの影響もあってか音質はすごく良いです)

総じて、デザイン面は外観は微妙だけど音を伝える工夫は光っています。

重さ・大きさ:小ぶり。滑り落ちやすいので持ち方注意

ケース40g、イヤホン本体4.1g。完全ワイヤレスイヤホンのなかでは軽い部類に入ります。特にケースは軽いですね。

ケースを持つとこんな感じ。軽いだけでなく大きさも小ぶりです。

表面がツルツルしているので、ちょっと持つときの力の入れ具合を間違うと滑って落ちていってしまいそう。持つときは指先でつまむのではなく手のひらに乗せて使うほうが安全かもしれません。

Bluetooth接続:さすがのQualcomm Snapdragon Sound認証

初回のペアリング、接続・再接続など速度面で気になる点はありません。わりと人が多い駅前を通った限りでは音の途切れは起こりませんでした。

コーデックは、よくあるSBC・aptXだけでなく、ハイレゾまでカバーするaptX Adaptiveにも対応しています。上記スクショは接続先デバイスの制約でaptX止まりですが、対応機種ならハイレゾコーデックが使えます。というか、BlutoothまわりはQualcomm Snapdragon Sound認証の要件を満たしていることもあり、難癖のつけようがありませんでした。

ただ、AACには非対応。転送ビットレートでいうと、AACは256kbps、SBCは192kbps。音源の表現力をそのまま伝える力という意味の音質はSBCが劣ります。iPhoneユーザーの場合EDIFIER W220Tの実力を100%引き出せません。その意味でEDIFIER W220TはAndroidユーザ向けといえます。

ちなみにハイレゾといえばLDACですが、EDIFIER W220Tは非対応。EDIFIERは過去にファームアップでイヤホンにLDAC対応機能を追加した実績があり、W220TにもLDACが来るかも、と期待したくなるかもしれませんが、Qualcomm Snapdragon Sound認証の縛りで「ハイレゾ対応=aptX Adaptiveのみ」となっている可能性があるので、過度な期待はしないほうがいいと思います。

NAE
NAE

AAC非対応な点は、iPhoneユーザーには辛いかもしれません

操作性:つまんで操作。慣れれば便利

タップではなく、棒の平らな部分を押して操作します。親指と人差し指でつまむ感じ。

この操作方法は好き嫌いがあるかもしれません。ただ、慣れればむしろ便利です。操作のついでにイヤホンの場所を直したりできます。タップだとできない芸当。

なお、デフォルトの機能の割り当ては方法は以下です。音量操作はないものの、不自然さは感じません。というか、EDIFIERの完全ワイヤレスイヤホンは「音量操作は音源側のデバイスで」という考え方で統一されているようです。

ざっくり操作方法
  • 右/左1回押し:再生・一時停止
  • 右/左2回押し:次の曲
  • 右/左3回押し:前の曲
  • 右/左長押し:音声アシスタント呼び出し

なお、2回押し・3回押し・長押しに割り当てる機能は専用アプリから変更可能です。もちろん音量操作も割当可能。柔軟性があって良いですね。

専用アプリ:必要な機能は揃っている

Edifier Connect

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専用アプリでできることはざっくり以下です。

できること
  • ボタン操作に割り当てる機能の変更
  • ボタンの検知感度調整
  • サウンドエフェクト変更
  • ファームウェアアップデート
  • ゲームモードのオンオフ切替

音質系はサウンドエフェクト変更のみ対応。イコライザ的に周波数別の調整はできません。ただエフェクト変更で音場の広さ等も変わるため、単なる周波数のプリセットなわけではないようです。

装着感:しっかり吸着

インナーイヤー型はカナル型と比べてホールド力の弱いものですが、W220Tは首をぶんぶん振っても落ちません。

理由は表面が光沢仕上げだから。少し湿り気がある耳の中では一気に摩擦力が強くなるのです。

実際につけていると、耳に入れている・置いている、という感覚より、耳に吸着している、と感じます。そのくらいホールド力が強い。

このホールド力は、イヤホン落ちにくくなるだけでなく、音質面でも良い効果をもたらしています。低音がしっかり出るのです。カナル型イヤホンは低音が強いですね。それに似通った強さがでています。具体的な聞こえ方は「音質」セクションで詳しく述べます。

音質:インナーイヤー型とは思えない

第一印象は、インナーイヤー型なのに低音の迫力がすごい、です。

理由はイヤホン筐体の作りで低音をブーストされているから。

  1. スピーカーが耳奥を向いている。そのぶん音がまっすぐ届く
  2. イヤホンが耳に吸着する。そのぶん密閉度が高まり低音が伝わりやすい

カナル型と同レベルとまではいきませんが、これまで使ってきたインナーイヤー型イヤホンのなかで一番低音が強いです。

NAE
NAE

装着感的にカナル型は苦手だけど低音はしっかりしていてほしい、という方には刺さりそう

かといって中音〜高音が軽視されているわけではありません。

中音から高音にかけては音量はフラット。音の1つ1つを聞き分けられる粒度感、楽器別の音像の分散、遠くに響く音の消えゆきざまなど、とてもバランスよく調製されています。透き通っています。

結果として視界が開けるような広がりと明瞭感があり、中〜高音メインの楽曲も十分に魅力を表現できています

音域別の音量バランスは専用アプリの「サウンドエフェクト」で調整可能なのですが、どんな調整を入れても音の表現力が落ちません。

つまるところ、全音域でしっかり音が作り込まれているのです。

そのため、

  • 全音域で音色が重なる打ち込み電子音系
  • バスドラムと管弦が跳ね回るエレクトロスウィング系
  • 渋い低音と少しの高音で独特の濃淡を出すLo-Fi Hiphop系
  • 音は薄くも少ない音色で深みある表現をしていくR&B系

など、あらゆる楽曲にフィットします。

だいたいのイヤホンには得意・不得意があるものですが、それを感じさせないバランス感は匠の技です。

もともとEDIFIERは音響メーカー。26年間積み上げてきた音作りのノウハウが光っているのでしょう。

NAE
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これまで使ってきたインナーイヤー型のなかで一番好きな音です

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マイク:普通

マイクの音質は、

  • スマホでの通話には使えるものの
  • ただオンライン講義の講師など音質を求められるシーンは避けるべき

くらい。

後者の人は専用マイクを買うと思うので、マイク音質は特に問題にはならないと思います。

電池の持ち:十分

単体で6時間、ケース込みで24時間。本体の小ぶりさを考えると十分です。

インナーイヤーなので、ANCなど追加で電池を消耗する機能がないだけ長持ちするのでしょう。

なお急速充電に対応しており、15分の充電で2時間再生可能です。使い勝手面も抜かりありません。

防水・防塵:安心のIP54

IP54ということで、強い水しぶきに当たったり砂場に落ちたりしても大丈夫です。

もちろん、完全ワイヤレスイヤホンは精密機械なので気をつけて使うべきですが、ハードな使い方に耐えられるならなによりですね。

保証:12ヶ月

Amazonの商品ページには書いてありませんが、EDIFIER公式Webサイト

お客様のEdifierヘッドホンやイヤホンがオリジナルの梱包で新品の状態で配達された場合、素材や製造上の欠陥に対して購入日から1年間保証がされます

edifier-online.com

と明記されています。

EDIFIER W220Tは7,000円台と完全ワイヤレスイヤホンのなかでは高めの部類なので、保証がしっかりしているのは安心できますね。少なくとも初期不良に当たってもちゃんと交換対応してくれる、ということですので。

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実際に使ってみた感想

良かったところ

  • 全音域作り込まれた良音質
  • インナーイヤー型なのにパンチ力ある低音
  • 明瞭で透き通る中〜高音

悪かったところ

  • 光沢デザインは好みが分かれそう
  • AAC非対応。iPhoneユーザは気になるかも

EDIFIER W220Tこんな人におすすめ

  • とにかく音質重視でインナーイヤー型イヤホンを選びたい
  • アプリ対応や連続再生時間など使い勝手まわりも捨てたくない
  • 光沢のあるデザインに抵抗がない

まとめ:音質への期待にしっかり応える逸品

総合評価:

音質や使い勝手など、あらゆる面でしっかりと期待に応えてくれました。ハードとソフトのあわせ技で全方向ハイレベルに仕上がっています。

  • どの音域でも勝負ができるハイレベルな音作りを施しつつ
  • インナーイヤー型が苦手な低音の迫力は筐体の工夫でカバー
  • 加えて専用アプリで種々のカスタマイズまで対応

まさに、値段にふさわしい高品位なインナーイヤー型イヤホンです。EDIFIER W220Tに7,000円払っても損しません。いい意味で「値段相応」です。

このような値段・音質バランスなのは、きっとEDIFIERが音響メーカーだからなのでしょう。完全ワイヤレスイヤホンはガジェットメーカー発と音響メーカー発がありますが、音質はおおむね音響メーカー発のほうが強いものなのです。EDIFIER W220Tはそれを示す好例だと思います。

音質重視で完全ワイヤレスイヤホンを選びたいインナーイヤー派の方は、ぜひ手にとっていただきたいと思います。

以上「EDIFIER W220Tレビュー | ガチの音響メーカーがガチのインナーイヤー型を作ると音質が異次元」でした。

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