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気楽でいたい外資コンサルのブログ

心を揺さぶり人を動かす伝え方の技術「ストーリーテリング」について

仕事術 仕事術-コミュニケーション
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昔々あるところに、というストーリーの冒頭の書き出し

こんにちは、NAEです。

生来の理屈っぽい性格やコンサルタントという職業柄、ぼくの考え方や語り口はロジカルシンキングに偏っています。

しかし、ロジック一本では言いたいことが伝わらず、伝わったとしても人を説得し動かすことは難しい。そう感じたことが何度もありました。

論理の不整合がないことは前提に、心にストンと落ち、人を動かすに足る語り方の技術がストーリーテリングです。

今回はそんなお話。

人に動いてもらうには理屈だけでは足りない

コンサルタントという仕事の本質はクライアント企業の変革を支援することです。

そして企業が変わるには人に動いてもらわなければなりません。

そんな仕事において「理屈が通れば人は動く」と勘違いしていたぼくの失敗談をお話します。

非の打ち所のないロジックを求められてきた

ジュニアコンサルタント時代は、ロジカルシンキングやロジックツリーなどを使ってもれなくダブりなく(MECE)論理的欠如のないことを常に求められてきました。

仕事の内容も上司が会議で使うための資料作成や補助的なデータの整理などがほとんど。

結果どのような文脈でなんの資料が使われるかをあまり意識しないまま、「これ必要だから作ってね」と指示された資料を作っていました。

求められるのは、資料の内容に筋が通っていること。つまり理屈・ロジックの完全性です。

ジュニア時代は、それでもよかったのです。

理屈だけでは不十分だった

時は経ち、自分がプロジェクトをリードし人を動かす立場になったときのこと。

ロジックは完全で抜け漏れはない。どう解釈してもこの意見が正しく、そこに議論の余地はない。最後まで考えきった資料をもって、気難しいと有名なクライアント担当者との会議に臨んだときのことでした。

いの一番に言われたのが

「なぜこれがいいのか全くわからない」

でした。

こういう反発、ぼく大好物なんです。なんせ自分の頭のなかには完璧なロジックがあり、手元にはそれを裏付けるデータがそろっている。反発されてもそれを覆すだけの根拠をもっているんですから、むしろマウントポジションです。


しかし、その時ばかりは何をどう説明してもうまくいきませんでした。当人は「わからない」をくり返す。こちらは「XXXだからです」と説明を続ける。

ホワイトボードを使った議論まで発展し、会議時間を使いきったあげく、結論は出ずに次回に持ち越し。この時点でプロジェクトは3日のビハインドとなることが決定してしまいました。


ロジックは完璧、データも揃って抜け漏れはない。

なにがいけなかったのでしょうか。

人を動かすのは論理ではなく感情。必要なのはストーリー

会議の後、散々だったという結果を当時の上司であったシニアコンサルタントへ報告したときのこと。

彼からのフィードバックはこうでした。

お前の言っていることは正しいが、ストーリーが足りない

人は理屈で納得し、感情で動く

ストーリー・・・

論理的に正しいことは正しい。正しいと伝われば人は動く。そう信じていたぼくには、ストーリーと言う言葉はあまり馴染みのないものでした。


今こうして振り返ってみると、当時の自分は若かったなあと思います。

ロジックは納得感を生み出しますが、感情を突き動かすにはチカラが足りません。

感情、特に欲と恐怖は人が動く最大のモチベーションです

コンサルタントはクライアントを動かして成果を上げてもらうことが仕事であり、クライアント企業を構成するのは人です。

すなわち、人を動かすスキルはコンサルタントとしては必須。その手法として、心を突き動かすストーリーテリングは身につけておかなかければならないのです。

ただしストーリーだけで人を動かすのはコンサルタントのやることではありません。ストーリーはロジックによる裏づけがあって然るべきです。

ロジックの完全性はそのままにストーリーを語った結果

その気難しいクライアント担当者との次の会議で、ぼくはただ彼に正対し、彼の目を見て語りかけるように話をしました。

今の状況、具体的に起こっていることやその実害、現場の声、やるべきこと、方針の案3つと比較サマリ、別クライアントでの経験に基づく推奨案とその具体的な理由、クライアント企業の風土を考えたときの成功のポイント・・・

気をつけたのは、地に足ついた生々しい話をすること。ハイレベルな理想論だけではなく、しみじみと語ること。

彼は資料には目もくれず、ただぼくの方を見て話を聞いていました。

最後に一言。

「わかった。案2でいきましょう」

文章においても重要なストーリーテリング

ストーリーこそ感情を揺さぶり人を動かす。これは対面でのコミュニケーションだけでなく文章でも同様です。

コミュニケーションの目的は2つ。

  • 情報を共有すること
  • 行動してもらうこと

うち後者が特に重要で、メンタリストDaigoさんの著書「人を操る禁断の文章術」にも「良い文章とは、人に動いてもらえる文章です」とあります。

ぼくはコンサルタントして人を動かすことを生業としている社会人であると同時に、ひとりのブロガーでもあります。

ブロガーとしての自分を、そして自分の描いた文章をふり返ってみると、とある事実に気がつきました。

記事にほとんど、ストーリーがなかったのです。

マウントポジションでべき論を振りかざす無意味

当ブログは「気楽(Nice And Easy)に生きるための考え方や方法論を整理して発信すること」がコンセプト。ブログ名「NaeNote」には、「NAE(Nice And Easy)」に生きるための「Note」という思いが込められています。

ここれまでのコンセプトに忠実に記事を書いてきました。成功体験や整理済の考え方を、できるかぎり簡潔に、端的に、理路整然と書いてきました。

自分の成功体験に基づき「この場合はこうするべきだ」という持論を展開。転落や失敗を乗り越えるといったストーリー的なアップダウンは登場しません。

言わば常にべき論を振りかざすマウントポジションだったのです。


これ、読み手からすると「ふーんそう」で終わってしまうのではないでしょうか。

そんな記事たちをこの記事を読みながら読みなおして感じたことはただひとつ。

お前の言っていることは正しいが、ストーリーが足りない

ストーリーのない情報の寄せ集めに人を動かす力はない

情報提供系のブログを目指すのならそれでもいいかもしれません。

ライフハックなんてまさにそれですよね。ものごとのいち側面に関するベストプラクティスを語るもの。だから理想論でもいいんです。

しかし、理想論だけでは誰も動きません。「へーそうなのね」「良いこと言ってるね」でオシマイ。

なぜか。

実体験が伴わないからです。痛みを乗り越えて見つけ出した成功の秘訣がライフハックなのだとしたら、ストーリーこそがライフハックをライフハックたらしめる。

ライフハックでなくともそう。仕事術も、テクノロジーも、デザインもブログ運営Tipsも、あらゆるものはその意義を裏付けるストーリーが無い限りは単なる「いい話」で終わってしまいます。

それで人が動くか?動くはずがありません。

だからこそ、ストーリーを語らなければならないんです。自分の体験を、生々しい転落と成功の数々を。読み手にありありと伝わるような物語を。


情報など、そこらへんにいくらでも転がっています。

情報を知識に、そして知恵に変えること。心にすっと入り、行動を起こさせる作品にすること。

それこそがストーリーの力なのです。

心を揺さぶるストーリーの6つの型

ストーリーのチカラはすごい。

ロジックや裏づけがあったうえで最後に人の背中を押すのは感情であり、感情を揺さぶるのはストーリーである。

とはいえなんでもストーリーを語ればいいわけでありません。下手くそなストーリーを語っても逆効果になる場合もあります。

では「成功する」上手なストーリーに型はあるのでしょうか。


lifehacker.jpのこちらの記事によると、「成功する」物語には6つの型があるそうです。

  1. 「貧乏人から金持ちになる」(着実に成功を重ねていく)
  2. 「悲劇」、つまり「金持ちから貧乏人になる」(少しずつ着実に転落していく)
  3. 「苦労話」(転落してから這い上がる)
  4. 「イカロス」(成功してから転落する)
  5. 「シンデレラ」(成功してから転落、そしてふたたび成功する)
  6. 「オイディプス」(転落してから成功をおさめ、ふたたび転落する)

研究の結果、感情体験を人気に結びつけるうえで何よりも効果的なのは、「復活」を盛り込んだ感情的ストーリー展開であることがわかりました。従って、物語には少なくとも「転落と成功」を盛り込むのがよいとのことです。

(出典:「成功する物語」のパターン:1700を超えるプロットを分析した結果 | ライフハッカー[日本版]

当記事における「成功」という言葉に厳密な定義はありません。ぼくは「共感を呼ぶ」ことだと読み取りました。受け取る側の心にストンと落ち、感情を揺さぶることが「成功」である。

心を動かし、行動を起こさせることがストーリーテリングのゴールである。そのためには、成功と転落の両方を盛り込むことが大事だと。

ストーリーテリングだけでは足りない

人を動かすにはストーリーの力を活かすことが大事だ、という話をしてきました。

しかし、ストーリーを聞いてもらい、人に動いてもらうには次の2つの土台が必要です。

  • 論理性:話のスジが通っていること
  • 信頼:話者が信用に足ると思われること

ストーリーはあくまで最終的な表現手段にすぎません。根拠もなにもないまま、まことしやかな語り口だけでは人を動かすのは難しい。

ストーリーに込められたメッセージは、それが正しいと言える論理的な導出(理由や根拠)、そして情報では裏打ちしきれない部分をささえる話者への信頼によってはじめて信じるに足るものとなります。

信頼に足る人物が、心にストンと落ち、納得感があり、血の通ったストーリーをもって語っている。だから心揺さぶられ、人は動くのです。


とはいえ論理性も信頼も、一朝一夕で身につけるのは難しいもの。

ただし論理性を下支えする基礎力である「論理的に考える方法(ロジカルシンキング)」であれば参考になる本が数多く出版されています。

ぼくがロジカルシンキングを身につけるのに使ったおすすめ本をひとつ紹介します。説明の明解さもさながら、「論理的に整理された文章ってこんなに読みやいのか!」と実感できると思います。

まとめ:説明するな、ストーリーを語れ

というわけで、人を動かすにはストーリーテリングは大事だよ、というお話でした。

理屈だけに頼ることなく、伝え方や語り方にもぜひ目を向けてみてください。

ロジックやその裏づけはもちろん重要なのですが、理屈をそのまま説明するだけでは人を動かすためには不十分です。

何をどのような順番で伝えるのか。アップダウンやクライマックスは。語り方を考えたとき、準備した情報の中で出すべきもの、出さないべきものはどれか。

ストーリーテリングは、人を動かすためにきわめて重要な技術です。

ぼくもまだまだ初学者。ぜひ一緒に学んでみませんか。


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