職場の汗臭い人対策における3つのコレクトネス

迫りくる臭い

あの人は、キーマンだけど、汗臭い

どうしても一緒に仕事をしなければならないけど、どう考えても臭い。
でも同じ場所、同じ島、隣の席など臭いが到達する場所にいなければならない。

そんな状況であなたはどうするべきなのだろうか?

・・・というのが、今回考えたいお題です。

汗臭いからといってその人をあからさまに無下に扱うことはできません。
仕事上のキーマンならなおさらです。

しかし職場のニオイは生産性や仕事の効率にかなり影響するもの。
直接的にも間接的にも、知らない間に職場の「空気」を支配してしまいます。

そんな汗臭い問題への対処方法について、3つのコレクトネスという観点からで考えてみたいと思います。

職場の「ニオイ」による生産性の変化

コレクトネスの話に行く前に、職場のニオイひとつでチームの生産性が大きく落ちた事例を2つお話したいと思います。

両方とも、ぼくの実体験です。

下水のニオイに支配された部屋

汗臭さとは少し違うんですが、ぼくが入社して2年目くらいのときのことです。
配属されたプロジェクトの初日、同じ会社の人が集まっているという作業部屋行ってみると・・・

部屋中に、下水のニオイが充満していました。

下水というか、ろくに管理・清掃されていない公衆便所の放つあの臭いです。
入った瞬間、鼻がひん曲がると思いました。

話を聞いてみたころ、部屋を出てすぐにあるトイレが長い間壊れたままだそう。
水が上手に流れず、流れたとしても奥ゆかしく少しずつ水が流れてくるような状態。
その結果、滞留した水がニオイを放ち部屋まで到達、部屋に下水の臭いが充満しているんだ、ということでした。

その部屋は30人くらいは入りそうな大きさ。
窓はありますがセキュリティの関係で開けることはできません。
入り口から一番遠い奥の一角がぼくの席だったですが、そこでもあの臭いが黄色い顔してやってくるのがわかるレベルでした。

入り口すぐのチームはもっと大変だろうなあ。
とよく見てみると、皆マスクと消臭剤でなんとかしのいでいるものの、どうしようもない臭害にやられて目は虚ろでした。
明らかに手が動いていませんし、集中できていないことが外から見てもわかります。
「早くランチの時間こい」が頭の中でうずまいている様子でした。

後日、オフィス自体はクライアントが準備してくれたものだということがわかりました。
そのプロジェクトに参画している複数のベンダー(当社含む)を一箇所にまとめて連携効率を上げたいという思いからということでした。
ちなみにクライアントが出席するミーティングは、クライアント本社のキレイなオフィスで行うことになっていました。

これはさすがにちょっと・・・
でもクライアントの事情だからしょうがないかな・・・

とマスクでなんとかしのぎながら仕事をしましたが、チームの士気が上がることはありませんでした。

汗臭さに包まれたチームの島

入社4年目くらいの別のプロジェクトでの話です。
ぼくが所属することになったチームの島は大部屋の端っこ。ぼくを含めて男性6人女性1人。

して、男性の1人が明らかにおかしいニオイを発していました。
汗臭さがチームの島を包み込んでいたんです。

ニオイの発信源は、チームリーダーのA氏でした。

A氏はとても仕事ができてクライアントからの評判がよく、かつ社内メンバーの評価も高いキーパーソン。彼がいないと正直チームは回りません。
そしてデキるリーダーは連携効率を考えるもの。A氏はメンバーへの指示出しや報告・相談などがその場その場ですぐできるよう、誰しもが自分に話しかけやすいように島の席次を組んでいたんです。

要するに、A氏が島の真ん中に座り彼を取り囲むような席順になっていました。
A氏のニオイを360度、あますことなく堪能できるパーフェクトな席次です。

ぼくはサブリーダー的な役割だったため、A氏の隣に座ることになりました。
今だからいえますが、正直キツかったです。ほかのメンバーも、声には出していませんでしたが、同じ思いだったのでしょう。
ある日気づいたんです。A氏の向かいに座ったMくんが、デスクの下に業務用の巨大消臭剤を仕込んでいたことを
その日の帰り、ぼくはいつのまにか同じ消臭剤を買い物かごにぶちこんでいました。

後日Mくんと話をしたときの彼の言葉が忘れられません。

「臭いと集中力落ちますよね。仕事なんだから効率をあげる努力はして当然じゃないですか。キーボードがうるさい人がいるところで耳栓をするのと同じですよね」

正論すぎてぐうの音も出ませんでした。

職場の汗臭い人問題における3つのコレクトネス

このように職場のニオイ問題はきちんと対処すべきテーマなのですが・・・

この問題の難しさは、利益相反構造にあります。

  • 汗臭いという理由だけで無下に扱うのは人としてフェアじゃない
  • 仕事に不可欠なスキルを持っているかが重要で、汗臭いかは問題じゃない
  • しかし実際、汗臭いのはキツい

このように全員から100点をもらうのが難しいんですよね。
なのだ何らかの「判断」を入れる必要があるのですが、判断には根拠が必要です。
ではその根拠や基準とは一体なんなのか・・・

と思ったので、汗臭い問題を正しく解決するために考慮すべき3つのコレクトネスというものを考えてみました。
ポリコレ、ビジコレ、セリコレです。

ポリコレ:ポリティカルコレクトネス

ポリティカル・コレクトネスとは、身体的特徴や思想信条、政治的信念や宗教などに基づく差別・偏見的な表現はしてはいけない、という「正しさ」です。

参考 ポリティカル・コレクトネス – Wikipedia

汗臭いというのもひとつの身体的特徴です。
したがって、汗臭いからといってその人を「クサメン」呼ばわりしてはいけません。
汗臭いからという理由一つで、その人だけを冷遇するのは正しくない対処です。

この話はダイバーシティとも関連します。下記記事も参考にどうぞ。

参考 認知バイアスの功罪と利用法:あなたの色めがねは何色ですか?

ビジコレ:ビジネスコレクトネス

ビジネス・コレクトネスとは、仕事を完遂するという目的のみを考慮した適切な判断をするべきだ、という「正しさ」です。(ぼくの造語です)

仕事は人やスキルによって完遂されるものです。
チームの一人ひとりには、仕事をやりきるために必要な役割が与えられています。
役割に応じて割り当てられたタスクひとつひとつが大きな仕事を成し遂げるための重要なピースになっています。
(組織や仕事が正しく設計されていたらそうなっているはず)

参考 全ての仕事には意味があるべきだし、意味が無い仕事はしてはいけない

つまりビジネス観点でのコレクトネスは、「職務を果たし仕事に貢献しているなら正しい」ということ。
その人がどんだけ汗臭かろうが、障害をもっていようが、耳が聞こえなかろうが、役割に基づいた職務を果たしているなら万事問題なしなんです。
極論を言うと、重要なのはスキルであって、人そのものではない、ということになります。
仕事に対するスキルマッチの重要性はこちらにも詳しく書いてあります。

参考 人材やスキルのミスマッチはデスマーチの火種。資質を見極めて炎上を防げ

セリコレ:生理的コレクトネス

生理的コレクトネスとは、要するに「生理的に無理」というやつ。脊椎反射レベルの「正しさ」です。

なぜ生理的コレクトネスが大事かというと、会社は人で成り立っているからです。
仕事はチームプレイであり、チームは人の集まりである以上、ポリティクスやビジネスだけで画一的に考えると無理が生じます。
人間関係、思惑、感情のまぐわりなど、「生理的に無理」を含めた心の動きは無視できないし、すべきではありません。

ポリコレやビジコレがより強く求められている昨今ではありますが、人は役割をもったロボットではなく、生々しい感情を持った人間だという事実を忘れてはいけないないんです。

コレクトネスに優先順位はあるのか

ポリコレ、ビジコレ、セリコレ。
考慮すべき3つのコレクトネスを考えてきましたが、先程お話したとおり、これらは「あちらを立てればこちらが立たず」の構造を持っています。
そのため、どのコレクトネスをより重視すべきなのか、というポイントが気になるところですよね。

今の時流からすると、原則「ポリコレ>ビジコレ>セリコレ」の順で考えるのが正しいのでしょう。

しかしこれは原則であって、状況によっては別の判断を入れる必要があります。
たとえば・・・

  • セリコレがポリコレに勝つケース
    汗臭すぎてまわりの誰もが仕事ができないレベル。対策を打つヒト・カネの余裕もない。その人は目立った活躍をしているわけでもない。よし退去してもらおう
  • ビジコレが最優先になるケース
    明日が締め切りなのに進捗は50%だ。汗臭いとか言っている場合じゃないぞ仕事しろ
  • 逆にビジコレを無視するケース
    メンバーからの汗臭いクレームがやまず、このままではチームが崩壊しそうだ。赤字だが空気清浄機なり業務用消臭剤なりを予算から出そう

つまり「ポリコレ>ビジコレ>セリコレ」という原則は理解しつつ、その時々の最適解はなんだろな?と都度判断する必要があります。

スポンサーリンク

職場の汗臭い人に困ったら管理職へ

ではその判断をするのは誰か。
人のやりくりやチーム全体のパフォーマンス管理を行う、管理職ポストの人間です。

管理職の仕事は、メンバーが思う存分走れ仕事環境を作ることを通じてチームのパフォーマンスを引き出すことです。

参考 元経営者の父が語った、年代別に身につけるべきスキルとキャリア

汗臭さによる仕事環境的なダメージ、その人のスキルが提供するビジネス上のベネフィット、組織として人間としてのコレクトネス。
それらを天秤にかけ、最終的に判断するのは、上長である管理職の役割です。

もちろん汗臭い問題をマスクなどの自衛や当人への改善要求でどうにかしよう、というのも大事です。
しかし自分だけではどうにもならない場合は、素直に管理職ポストの人間へ課題としてエスカレーションしましょう。
どういう表現にすると伝わりやすいかは下記記事をどうぞ。

参考 課題やリスクの正しい書き方。正しい行動を導く表現方法とは

スポンサーリンク

まとめ:職場の汗臭い人対策は自衛+上申で

というわけで、3つのコレクトネスから職場の汗臭い人対策における正しさを考えてみました。

なにもしなければポリコレ、ビジコレが優先されます。
波風を立てたくなければ、マスクをつけたりMくんのようにデスク下に業務用消臭剤を仕込むなどの自衛が現実的でしょう。
状況が許すならリモートワークも良い手段だと思います。

が、臭いのを我慢する必要はありません。
仕事に支障が出ているのなら、チームのパフォーマンスにまつわる課題として上申してしまいましょう。

とはいえ、職場の「空気」はメンバーひとりひとりが作るものでもあります。
もちろん自分の汗臭さに気づいている人は、制汗剤や除菌下着への買い替えその他、できることをやってほしいなと思います。
また自分は臭くないと思っている人でも「まわりは臭いと感じている」という前提で見てみると、みんな幸せになれるかも?しれませんよ

この記事が役に立ったら
いいね!をどうぞ

ブログで言えない話はTwitterにて
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアやコメントお待ちしてます

おすすめ記事

こんな記事も読まれています

スポンサーリンク
スポンサーリンク