Googleの純正スマホの廉価版「Pixel 3a」は本当に買うべきスマホなのか?
買うべき理由・見送るべき理由を整理してみました。
迷っている方の考えの足しになれば幸いです。
Pixel 3aを買うべき理由
Pixel 3と同等の高性能カメラが使える
Pixel 3aは、Pixel 3と同等の高性能カメラを備えています。
- 暗所での撮影画質を劇的に向上「Night Sight」
- ベストショットを自動選別「TopShot」
- 画質劣化せずデジタルズーム「Super Rez Zoom」
写真好きな人には、これだけでも買う理由になります。
参考 Google Pixel 3の強みは?オンリーワンであるポイントをまとめてみた
必要十分な性能をコンパクトに備えている
Googleが追っているのは、スマホの使い心地(エクスペリエンス)です。
ターゲットユーザの考える「最高の使い心地」に最低限必要なハード・ソフトが備わっていればOK。
なので「メモリ10GB!」とか「Antutuスコア30万点!」とか、わりとどうでも良い。
たとえばPixel 2はメモリ4GBでしたが、使い心地は120点でした。
参考 Google Pixel 2レビュー総まとめ:個人輸入してでも買ってよかった
かたやPixel 3aは、ヘビーなゲームはやらないけどカメラはこだわりたい人をターゲットにしているように見えます。
ならば「CPUは中速程度、メモリは最低限、でもカメラは高性能」というPixel 3aのスペック構成は大正解。
そもそも非ゲーマーにとって、最新のSnapdragonはあきらかにオーバースペックですし、メモリ10GBなんて使い切れる気がしません。
買ったあとの進化が期待できる
Googleはソフトウェア(とデータ)で戦う企業です。当然、Pixelシリーズも。
特にカメラはわかりやすくて、
- Google:一眼+ソフト処理
- 他メーカー:複眼レンズ
という感じ。ソフトでどうにかするのがGoogle流です。
ソフトはアップデートできます。しかしハードはあとからアップデートできません。
つまりPixelシリーズは、買ったあとの進化もおおいに期待できるんです。特にカメラまわり。
プリインアプリがない
プリインアプリがないのも魅力です。
アンインストールできないプリインアプリをやむなく「無効化」している人、いますよね?
Pixelなら全部自由です。
アプリの動作が安定しやすい
Pixelシリーズは、Androidの「リファレンス機」です。
リファレンス機とは、「アプリの開発者が動作テストを行うお手本端末」を指します。
アプリ開発者にとって、各メーカーが独自カスタマイズした「亜種」を全種類テストするなんて無理な話。
なのでリファレンス機でのテストとバグ取りを優先して行います。
そのため、リファレンス機であるPixelはアプリの動作が安定しやすいんです。
Pixel 3aを買わない理由
背面デザインが微妙
Pixel 3aの背面はプラスチック製とされています。
「ガラスと金属のツートン」という、Pixelの伝統的なデザインを捨てた形です。
Pixelらしくなく、気に入らないかもしれません。
排熱効率が悪い
プラスチックをはじめとした樹脂は、素材の性質として熱伝導率が低いです。
具体的には、ガラスや金属の100倍くらい熱がこもります。
そのぶん排熱効率が悪く、負荷の高い処理をさせると一気に本体が熱くなる可能性があります。
ベゼルレスじゃない
2019年、前面の画面占有率95%オーバーが当たり前の時代。
水滴型ノッチ、パンチホールカメラ、ポップアップ式セルフィーなど、スマホメーカーは「全画面」に必死です。
しかしPixel 3aのリーク画像を見る限り、画面上下に太めのベゼルがあります。
まじかよ……と思わなくもありません。
中古のPixel 3が廉価で出回っている
ヤフオクやメルカリで、Pixel 3日本版の中古品が5万円台で取引されています。
同じくらいの値段を出すなら、中古でもPixel 3に軍配が上がりそうです。
Visual Coreが搭載されていない
Pixelシリーズの最大の売りであるカメラ画質は、AIベースの画像処理で実現されています。
それを超高速で実行するため、代々のPixelシリーズは「Visual Core」という専用チップを搭載しています。
Pixelシリーズが「カメラの使い心地が最高」と言われているのはVisual Coreのおかげなのです。
しかしPixel 3aには、Visual Coreは搭載されていません。
つまりAIベースの画像処理を、高速とはいえないSoCでまかなうことになります。
これ、カメラの使い心地にかなり影響します。
- 撮影した画像の保存スピードが遅い=連写できない
- Night SightやTopShotなど、目玉機能のパフォーマンスが遅い
たとえば、同じ高速SoC(Snapdragon 845)を積んだOnePlus 6TとPixel 2で「ナイトモード」撮影をすると
- OnePlus 6T:保存2~3秒。連写なんて無理
- Pixel 2:保存0.3秒。連写余裕
くらい差があります。
参考 Google Pixel 2レビュー(カメラ編):「スマホ史上最強性能」はダテじゃなかった
かたや、Pixel 3aのSoCはSnapdragon 670。Antutuベンチマークは15万点台。Snapdragon 845が30万点なので、半分です。
Night ShotやTopShotなど、ウリになっている撮影機能がどれほど快適に行えるかは正直疑問。
つまりPixel 3aは、カメラの画質そのそのはPixel 3と同等だが、撮影の快適さは大きく損なわれている可能性が高いといえるのです。
※2019-05-13追記:
Pixel 3aの実機で確かめてきました。結果は後述します。
それでも買う理由
背面デザイン→どうせケースに入れる
大事にスマホを使いたいぼくにとって、ケース+バンカーリングは必須アイテム。
背面デザインなんて開封時くらいにしか見ません。
排熱効率→重いゲームはしない
スマホでやることといえば、カメラ・SNS・ブラウザ・執筆くらい。
負荷の高いスマホゲームはやらないので、排熱効率は気になりません。
※2019-09-29追記:
ゲームも結構サクサク動くし排熱も悪くない、というレビューもあるようです。
ベゼル→あってもなくてもいい
本記事執筆現在、水滴型ノッチを備えたほぼベゼルレスなOnePlus 6Tを使っています。
しかし、ベゼルレスによる恩恵を意識したことがあまりありません。
各社ベゼルレス化に必死ですが、ぼくにとっては任意事項です。
中古Pixel 3→新しいものが好きなんです
なんです。
Visual Coreなし→ソフト最適化で遜色ほぼなし
Google IO 2019の発表で、Pixel 3aについて「Visual Coreは未搭載だが、ソフトウェアを最適化することで快適さをまかなった」と説明されています。
この発言を信じるならば、Visual Coreが搭載されていない点は気にならない、ということに。
またGizmodoの記事に以下の記載があったりもします。
Pixel 3で撮った写真と並べても見劣りしないよう、写真処理の流れがカスタマイズされています。Pixel 3と見劣りしないというのはかなり大胆な目標ですが、実際両方で撮り比べてみたところ、たしかにやり遂げているようです。
4万円台の新型「Pixel 3a/3a XL」レビュー:ミッドレンジスマホの定義が完全に塗り替わった #io19 | ギズモード・ジャパン
また、そもそもPixel 3などVisual Core搭載機の撮影スピードを体験したことがない人にとって、Pixel 3aのスピードが普通に感じる可能性もあります。
※2019-05-13追記
Pixel 3aの実機でパフォーマンスをたしかめてきました。
ポートレートモードの連写以外は遜色ありません。Snapdragon 845を積んだハイエンドよりサクサク撮影できました。
まとめ:やっぱりほしい
まとめると、今からPixelシリーズを買うとしたら、コスパ的には
- Pixel 3新古品を探して買う (5万円台)
- Pixel 3aを新品で買う(4.86万円)
の2択になるでしょう。
さて、どうしましょうかね。
以上「Pixel 3aを買う理由、買わない理由」でした。