お釣りで投資などの少額投資系FinTechアプリは要注意?投資先の金融商品は…

FinTechは誰のためにあるのか

ここ数年、なにかと話題のFinTech。

テクノロジーの力で金融を変える、なんていうスローガンでよく用いられるバズワードです。

そんなFinTechまわりのニュースを見ていたところ、お釣りで投資する少額資産運用アプリなるものを見かけました。

ちょっと気になったので調べてみたんですが…

よくよく見てみるとユーザが結局損する仕組みかもしれないと思えたので一筆書きます。

FinTech(フィンテック)とは

FinTech(フィンテック)とは、FinanceとTechnologyをかけあわせた造語です。

その定義は諸説あり、どこからどこまでがFinTechを呼ぶかは非常に曖昧なので、

  • スマホアプリを使えばFinTechだ
  • センサーとIoTこそFinTechだ
  • いやいや仮想通貨やブロックチェーンだ

などと人によって扱いが様々。

ビッグデータや人工知能と同じ、いわゆるバズワードですね。

参考 今さら聞けない「FinTech」の基礎知識:第1回:FinTechとは何か – ITmedia エンタープライズ

お釣りで投資するFinTechアプリ

そんなFinTechまわりの動向を眺めていたら、ロンドンのスタートアップが少額投資を促進する画期的なスマホアプリをローンチしたというニュースを見かけました。

参考 買い物の“お釣り”で投資できるFinTechアプリ「Moneybox」–ターゲットはミレニアル世代 – CNET Japan

ざっくりまとめると

  • スマホで決済するアプリを開発した
  • 丸めた金額で支払い、お釣りを投資口座へ回す仕組み
  • 投資を敬遠しがちな若者がターゲット

ということだそう。

関連情報を少しあさってみたら、2014年にアメリカで似たようなしくみのアプリがローンチされていたようですね。

参考 iPhoneを持っているだけでカンタンに投資家になれる…?Acornsという新しい可能性− ISUTA(イスタ)オシャレを発信するニュースサイト

Acornsは楽天やPayPalが投資したことで少し前にニュースにもなっていました。

参考 楽天、Paypalが小口投資アプリ「Acorns Grow」に投資 | ZUU online

少額投資系のFintechアプリが画期的と言われる理由

これら少額投資系のアプリやサービスが画期的と言われるのは、投資へのハードルを下げ、市場参加者を増やす可能性を秘めているからです。

たとえばお釣りで投資するとは、要するに100円未満の小銭をつっこむ貯金箱を投資口座(金融商品)にすげかえるのと同じ。

このくらいの少額であれば投資に回してみようかな、と思えそうですよね。

また投資口座への入金がスマホ決済という日常的な行いにひもづくのも見逃せません。

お金を投資に回すこと自体への不安を減らしつつ、投資口座にお金を入れる面倒さも解決する。

投資イコール「面倒で危ない」というイメージで敬遠している層を取り込むという点では、とてもよくできた仕組みだと思います。

お釣りで投資、資金の行き先はあの金融商品

しかしここで気になるのが投資口座へ入金したお金の行き先です。

少額とはいえ投資は投資。投資口座に入金されたお金は金融市場に流れることになります。

先ほど紹介したMoneyBoxの場合、投資先として「ローリスク」「ハイリスク」「バランス」の3つのモデルを選べるようなのですが…

MoneyBoxの投資コース一覧

これ投資信託やファンドラップと全く同じ構図なんです。

小口でお金を集め、集まったお金で金融機関の担当者が一定の方針のもと運用する。そして出資者から信託手数料を取るモデルです。

実際にMoneyBoxの手数料体系を見てみると投資信託そのものです。また先ほど紹介したAcornsもどうやら同じビジネスモデルの模様。

とどのつまり、お釣りで投資するFinTechアプリは投資信託やファンドラップへの入り口にすぎないということです。

投資信託やファンドラップは損をしやすい?

さて、投資信託やファンドラップといえば、金融庁がダメ出しした(と解釈できる)レポートを公開したことが話題になりました

さすがの金融庁も、現在の法令の下で合法的に売られている商品を、「ダメだから買わない方がいい」と直接言っている訳ではない。しかし、金融レポートの記述をよく読むと、金融庁が、この商品は投資家のためになっていないと考えていることが「滲み出てくる」ようにレポートは書かれている(と、筆者は読んだ)。

以下、筆者の解釈であることをお断りしておくが、金融庁がレポートでダメな商品であることが分かるように例示しているのは、(1)毎月分配型投資信託、(2)個人年金保険(特に外貨建てのもの)などの貯蓄性保険商品、(3)ラップ運用(特にファンドラップ)、の3つだ。いずれも、売れ筋の商品・サービスであるが、これらが「ダメ!」であることについては、筆者も全面的に賛成する。

出典:金融庁がダメ出しする運用商品ワースト3 | 山崎元のマルチスコープ | ダイヤモンド・オンライン

なぜ投資信託やファンドラップはダメなのか

ここでいう「ダメだから買わないほうがいい=投資家のためにならない」とは、「買ったら損する」ということです。

そもそも投資信託やファンドラップは使っているだけで投資額に比例する手数料がチャリンチャリン取られていくという仕組み。

信託手数料をさらに上回るキャピタルゲイン(株価の差益)が出ないと、投資家は損するんです。

仮に信託手数料が投資額の1%/年だとすると、年利1%以上の差益が出ないと投資家は損をします。もちろん、それを下回れば投資資金が減っていきます。

銀行や証券会社が投資信託やファンドラップを勧める理由

一方、銀行や証券会社の宣伝を見ると「投資信託はじめませんか?」ばかりですよね。

それには理由があります。信託手数料こそ、金融機関の儲けだからです。

信託手数料は投資金額をベースに計算されるため、株価が上がろうが下がろうが証券会社は儲かるんです。

つまり投資信託やファンドラップの購入者は、銀行や証券会社にとっては投資額の数%を必ず漏れなく遅れなく上納してくれる「いいお客さん」なんです。

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FinTechは投資家を騙す手段ではないはず

2016-10-08現在、MoneyBoxやArornsは欧米のみに展開されているため、日本では使えません。

しかし、投資へのハードルを下げることで大量のタンス預金を金融市場へ流し経済を活性化につなげたい、というのは日本においても見られる傾向です。(NISA等)

またApplePayの登場によりスマホ決済がより身近になるような潮流を考えると、同じようなFinTechアプリが日本に登場する日も近いのではないかと考えています。

しかしですよ。

投資信託やファンドラップという買ってはならない(と言われている)系商品への入り口を広げ、ハードルを下げるのはFinTechの使い方としてはどうかと。

投資にハードルを感じている人でも投資にチャレンジできるように、というコンテキストを、証券会社が利益を得やすい商品へ投資家を誘導する目的に使うのは、テクノロジーの正しい使い方なんですかね。

・・・まあ最終的に投資家が得をするのであれば文句はないんですけど。

少額投資アプリが日本にも登場

そんな「お釣りで投資」ですが、お釣りだけににとどまらず、日本でも少額投資アプリが登場しているようです。

手数料が投資額の数%である点は投資信託やファンドラップと全く同じ。
が、マメタスを提供するWealthNaviは資金の運用に人工知能(ロボアドバイザー)を使っている点が異なるようです。

さて、人工知能というのもFinTechと同じバズワード
「人工知能!だからすごいよ!」という賑やかしで使われがちなもの。
実際ナニモノなのか、どこまで信頼できるのか、わかったもんじゃありません。

「なんかすごそう」で投資判断をしてはいけないのです。

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まとめ:投資は自己判断。マネーリテラシーを

というわけで、お釣りで投資などの少額投資FinTechアプリはよく考えて使おうという注意喚起でした。

投資はあくまで自己判断。市場の先を読むところだけでなく、金融商品を選ぶところからすでに自己責任の世界は始まっています。

マネーリテラシーを身につけ、損をしないような資産運用ができるといいですね。

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