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「儀式化」の集中力アップ効果を2ヶ月間検証してみた結果

水の波紋の写真 集中力

ぼくは効率・生産性マニアです。

いかに生産性を高めるか、集中力を保つにはどうすればいいのか、日々考え、実験しています。

その中で、認知行動療法のアプローチで集中力を高める実験をしてみました。

集中できなくなった時、行動を起点とした「儀式化」により、意図的に集中力を引き上げることはできるのか。その効果と限界は。

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儀式化の裏づけ:認知行動療法(CBT)とは

認知行動療法(Cognitive behavioral therapy:CBT)とは、精神疾患の治療で広く用いられている治療法です。

認知行動療法は、私たちの認知(ものごとに対するとらえ方)を修正することで、気分や行動を変化させようという治療法になります。

出典:seseragi-mentalclinic.com

人間の行動サイクルは大きく3ステップに分けることができます。

  1. 認知:ものごとを捉える
  2. 判断:次の動きを決める
  3. 行動:決めた動きを実行する

この「認知」の部分を意図的に正すことで「判断=心」や「行動」に作用を引き起こすのが、CBTのアイデアです。

儀式化の要点:「行動」は「認知」される

ここで重要なのは自分の行動も認知の対象であるという点です。

たとえば、

  • 悲しい、泣きたい。だからこそ大声出してワハハと笑うマネをするとなんだか気分が晴れてくる
  • つまらない、テンション上がらない。そんな時に何度も思い切りバンザイするとなんだか楽しくなってくる
  • 緊張するし、正直自信がない。そこであえてどーんと胸を張って腕組みするとなんだか前に進める気がする

というやつ、ありますよね。

特に1つ目についてはアニマル濱口のワッハッハですとか、マック赤坂の10度20度30度が有名だと思います。(リンク先Youtube注意)

つまり、

  • 自分の「行動」をなりたい状態へ意図的に正す
  • 自分の状態に対する「認知」が変わる
  • 実際に頭や心がその状態になってしまう

ということです。

儀式化の効果検証のための事前分析

前置きはここまで。

ぼくが実際にやってみた実験はこちらです。

  1. 自分が集中している時の行動を書き出す
  2. 逆に集中していない時の行動も書き出す
  3. 集中していない時の行動が出たら、それを意図的にやめ、集中している時の行動を実行する
  4. 集中力の変化を観察する

儀式化を裏づける認知行動療法的なアプローチ(仮説)が正しければ、効果はあらわれるはずです。

集中している時の行動

まずは頭がフル回転している時。パッと思い浮かぶのはこんなもんです。

  • 紙に手書きで文字や図を描きながら考えている
  • ホワイトボードを使って誰かと議論している
  • 背筋が伸び、1点を見つめている
  • 頭の中で整理済の考えをアウトプットしている
  • 普通では考えられないほど厳しい時間制限を設定している(電車の中での作業など)
  • 達成成果にワクワクしながら仕事に取り組んでいる
  • なぜ今この仕事をしなければならないか明確にしている
  • すべての段取りが明確になった状態でToDoをこなしている
  • 成果物のイメージが詳細レベルまでできあがった状態で仕事をしている

集中していない時の行動

次に全く集中できていないダメダメな時の行動がこちら。

  • 極端にマルチタスクしている
  • 頻繁にメールチェックしている
  • 目の前の仕事が正直つまらないor意味がないと思っている
  • 歯を噛み締めている
  • 首がこわばり、頻繁にストレッチをしている
  • ヒゲを触り抜く、片ひじをつく、足を組む
  • 呼吸が浅い、または息が止まっている
  • キーボードの打鍵音がいつもより大きい

見るだけでもダメダメリーマン感が満載です。

儀式化により行動を正してみた結果

さて、この実験を約2ヶ月間続けてみました。

結果、一定の効果は実感できたものの、やはりそれなりに限界があるように思います。

儀式化の結果、集中力を引き上げられたか?

まず、集中している時の行動を意図的に起こすことの効果について。ものによって効果はまちまちでした。

特に効果的だったのは、紙に手書き人と議論という点。行動そのものが集中力を無理やり引き出してくれいました。

それ以外は・・・あまり効果はありませんでした。

ぼくの場合、姿勢や目線頭の中の整理状況などは、あくまで集中している結果であって、それが認知にまではつながらないようです。

ただし、仕事の意味や段取り、成果イメージなどは、自分が気持ちよく仕事をするために必要なことであると再認識させてくれました。これも副次的には効果があるのかも、と思います。

儀式化の結果、集中力の低下を防げたか?

次に、集中していない時の行動を意図的に止めるということの効果について。

これは、集中していない時間が減ったの一言に尽きます。

「あ、今集中していない」と客観的に判断できるようになったため、集中しないままダラダラと時間を過ごすことがほぼなくなりました。

儀式化の限界:根本解ではない

とはいえ、限界もあります。

この方法はあくまで行動によって自分の気持ちをコントロールするものです。そのため

  • 本当に疲れている
  • 精神が消耗している

など、集中力維持に必要なリソースがそもそも足りない状態においては効果がありません

できるできる気持ちの問題だ!にも限界はあるよ、ということですね。

まとめ:儀式化を通じた客観視で自分に気づきを

というわけで、自分の癖から集中力向上の秘訣(儀式)を知る方法とその検証結果でした。

効果のあるなしは人によって異なると思います。

しかし少なくとも、自分のいい時、悪い時を書き出して客観的に眺めてみるという行いはやる価値ありだと思います。

意外な発見があるかもしれません。

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