多動力病とも呼ぶべき「考えるより行動」の呪縛…なぜ「何もしない」ができないのか

「何もしない」ができず消耗する男性

「考えるよりもまず行動」

「何もしないのは悪」

「多動力」

ちまたには、とにかく行動を煽る言葉があふれています。

しかし、考えなしの行動を煽るのは正しいのでしょうか?

行動にフォーカスするあまり、デキるビジネスパーソンが習慣化している「何もしない」ができない病にかかっていませんか?

今回は、「とにかく動け」に煽られやすい人の心理をひもとくとともに、「何もしない」ができない呪縛から逃れ、より行動を意義あるものにする方法を探ります。

なぜ「何もしない」ができないのか

「何もしない」ができない理由を一言で言うと、無能の証明が怖いからです。

無能の証明とは、自分には能力、ひいては価値がないと証明してしまうこと。

自分はダメ人間だと認めるのが怖いんです。

これを3つの恐怖に分解して考えてみましょう。

1. 何もできない恐怖

1つ目は、何もできない恐怖です。

何もできない自分には能力がない。能力を利用して価値を産めない。つまり価値がない。

だから、何もできないことを否定すべく、無価値の恐怖を振り払うため、行動に走ります。

自分は行動している。何もしていないわけじゃない。だから無価値ではない。

行動している事実によって無価値の証明に抗いたいという思いを彼らは持っています。

だから「とにかく行動」「多動力」のような言葉にすぐ反応するんです。

2. 何者でもない恐怖

2つ目が、何者でもない恐怖です。

何者でもないとは、自分は特別な存在ではないことを意味します。

特別な存在とはドラクエでいう勇者。人生の主人公は自分なので、自分は勇者だと信じてるんです。

しかし実際はどうでしょう。外から見ると自分は町の入口で「ここはXXの町だよ」と言い続ける人間かもしれません。

仮にそれが事実だとしても、認めたくないんです。自分の中で自分は勇者なんですから。

だから行動に走るんです。自分は町の名前を連呼して終わる存在じゃないんだぞ、と。

3. 何者にもなれない恐怖

3つ目が、何者にもなれない恐怖です。

「何もできない」「何者でもない」は、今の自分に対する無能の証明。

一方「何者にもなれない」は、将来の自分に対する無能の証明です。

つまり未来永劫、自分は町の名前を連呼するだけの人生を歩むのだと。

この恐怖から逃れ、自分は可能性のある勇者だと示したい。

そのために、行動することを良しとするするんです。

行動すれば人生は変わるのか

行動しなければ自分は無能だと証明されてしまう。

現在と未来を取り巻く3つの恐怖が「行動せよ」の煽りを後押ししています。

しかし、恐怖にかられた行動は果たして建設的なのでしょうか

そこには2つのリスクがあるように思います。

1. 行動が目的化するリスク

1つ目は、行動が目的化するリスクです。

行動しないと自分は無価値だと証明されてしまう。だから目的はさておき行動する。

行動するのはすばらしいことですが、目的レスとなると問題です。

なりたい自分に向かうのと、なりたくない自分から逃げるのには、天と地ほど差があるからでせう。

目的のない行動は、半年後や1年後の自分を絶望させます。まるで変わっていない自分を見せつけられるからです。

昔のぼくはこれで大失敗しました。失敗談を下記記事に書いています。

トイレでは真ん中の便器を使え?アドバイスの真意を汲みとる重要性
アドバイスに流されるあまり目的と手段を見誤っていませんか?志なく闇雲に行動するだけではなにも身につきません。

2. 中途半端に消耗するリスク

2つ目は、中途半端に消耗するリスクです。

行動とは、時間と労力という手持ちの資源を投資する行いです。

資源が無限なら「とにかく行動」「いろいろ試せ」「まずやれ」は通じます。

しかし時間も労力も有限です。狙いを定めない「とにかく行動」はジリ貧に陥るでしょう。

株に例えましょう。100万円の資金で株を買うとしたら、どの株を買いますか?

短期長期で収益の出る株、事業を応援したい企業の株を買うはずですね。

逆に「とにかく投資する」を優先し、目についた株をひたすら買うのは愚策の極みです。

結果、株価が下がって資金が目減りすると、次の投資も危うくなります。ゆくゆくは市場からの退場という憂き目を見るでしょう。

同じことが「行動」という投資にも当てはまるのです。

目的のない行動へ過剰に時間と労力を投資するのは、自分の資源を目減りさせるリスクを伴います。

「考える前に行動しろ」を真に受けると自分をすり減らすだけで終わる可能性がある、ということです。

中途半端に消耗して次へつなげる元気がなくなるのは「精神的な死」につながります。詳しくは下記記事で説明しています。

好奇心に負け続けても死なない人生の条件ってなんだろう?
好奇心に負けて素直に行動するときの意欲と行動力ってすごい。この馬力を保ったまま生きていくために満たすべき条件ってなんなんでしょうか。

行動の前に考える。必要なのは休息である

恐怖を動機とした目的レスな行動は自分を消耗させるだけだ、というお話でした。

ではどのようにすれば、行動の前に立ち止まり、目的を考えられるのでしょうか。

ポイントは、焦らず休息時間を取ることにあります。

休息は自省をうながす

休息の時間は、自分や自分の行動を省みるのに最適な時間です。

縛りのない自由な思考でリラックスしたときに出てくる思いは、本当の自分を反映しているはず。

自分をひとつ上の視点から俯瞰する余裕も生まれるでしょう。

休息は自分を客観視させる

そうすると、自然と自分を客観視できるようになります。

行動一直線モードは正しいのか、本当にやりたいことは何か、目的は何か。

思いを巡らせることで、恐怖にかられた目的レスな行動を抑制し、より意義ある方向へ調整できるようになります。

この方が、よりやりたいことにフォーカスできるのではないでしょうか。

休息は頭と身体を元気にするだけでなく、行動を意義あるものに変える効果もあるのです。

スポンサーリンク

「とにかく行動」の呪縛から逃れる方法

ではどうすれば「何もしない」ができない病から脱却し、「とにかく行動」の呪縛から逃れられるのでしょうか。

キーは、何もしない自分を許すことです。

「何もしない自分を許す」とは

「何もしていない今の自分は無能無価値へ一直線、だから今すぐにでも行動すべきだ」

これはつまり「何もしない今の自分なんて許せない(許してはいけない)」ということ。

この自罰的な認知を変えることが「自分を許す」の意味です。

とはいえ、いきなり認知を変えるのは難しいもの。

だからひとつ、工夫を入れます。

自分を許す方法

方法は簡単です。

「今の自分は何もしなくていい」と自分に言いましょう。

ポイントは「今の自分」に限定すること。

下記記事でも触れましたが、今の自分と未来の自分は1人の人間であり、別人です。

未来の自分に仕事を振るという、精神安定&生産性向上系仕事ハック
未来の自分は今の自分じゃない他人なのである。したがって、今自分がもっているタスクやToDoをそいつに振ってももんだいないよね。無茶な理論に見えますが、これ実はとても良いことなんです。

たとえば、今の自分と1時間後の自分を分けて考えてみましょう。

  • 行動モードになるのは1時間後の自分に任せる
  • 今から1時間後までの自分は休息していて大丈夫

こうすることで「先1時間は休息してもいいんだ」と思えるのではないでしょうか。

休息時間に自省と客観視、行動の意義づけができたなら、1時間後の行動モードの自分はより輝くのではないでしょうか。

スポンサーリンク

まとめ:「何もしない」を練習しよう

「何もしない」という最高の休息ができない人向けの「何もしない」休息法のお話でした。

「何もしない」ができない病は、経験上、次の特徴を持つ人がかかりやすいように思います。

  1. 今の自分に不満がある人
  2. 根がマジメな人
  3. 自己評価が低めな人

自分を追い込みすぎないよう、先1時間だけでも「何もしない自分」を許す習慣をはじめてみてください。

小さなことですが、自分の認識が変わるきっかけになるかもしれません。

「とにかく行動」も大事ですが、行動が早いだけでは武器になりにくいものですよ。(詳しくは下記記事でも書いています)

行動が早い人と遅い人の決定的な4つの違いとは?
行動が早い人はどのような思考回路でものごとを決めているのか?遅い人と比較でわかる、すぐやるための秘訣とは。

この記事が役に立ったら
いいね!をどうぞ

ブログで言えない話はTwitterにて
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアやコメントお待ちしてます

おすすめ記事

こんな記事も読まれています

スポンサーリンク
スポンサーリンク