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「こども孫子の兵法」レビュー。わかりやすさ重視の超入門書。おとなにもおすすめ

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こんにちは、NAEです。

「敵を知り己を知れば百戦危うからず」

「疾(はや)きこと風の如く
徐(しず)かなること、林の如く
侵掠(しんりゃく)すること、火の如く
動かざること、山の如く」

「呉越同舟」

一度は耳にしたことのあるこれらの言葉、出元はすべて「孫子の兵法」です。

そんな「孫子の兵法」のこども向け版を書店で見かけたので衝動買いしてみたんですが、これが結構よかったので紹介します。

今回はそんなお話。

孫子の兵法とは

『孫子』(そんし)は、中国春秋時代の思想家孫武の作とされる兵法書。後に武経七書の一つに数えられている。古今東西の兵法書のうち最も著名なものの一つである。

出典:孫子 (書物) - Wikipedia

2500年前の書物であり、主に国と国の戦をトピックとした戦略書です。

しかし、その底に流れる教えやアイデアは現代でも通用するものばかり。

ナポレオン、武田信玄、ビル・ゲイツや松下幸之助、孫正義も愛読したとされています。

これまでの「孫子の兵法」は難しかった

ぼくはこれまでいくつか「孫子の兵法」本を読んできました。そして、恥ずかしながら挫折しました。

「こども孫子の兵法」そのものについて語る前に、なぜ挫折したかという話をさせてください。

曹操注解 孫子の兵法

あの曹操が注釈をつけた孫子の兵法だって!?

というテンションだけで買った初めての「孫子の兵法」本がコチラ。たしか大学1年生くらいのときだったはず。

結構なボリュームでしたし、当時のぼくには表現が難しく、ストっと腹落ちしませんでした。

(結局、今も実家の本棚に鎮座したままになっています・・・)

なるほど!「孫子の兵法」がイチからわかる本

大学院の2年生、就活を終え、外資コンサルから内定を得たタイミングで手にとったのがこの本。

「経営戦略を語りたければ孫子は読んでおけ」という先輩からのアドバイスを受けて読みました。

孫子の兵法に記された44の格言について、意味の解説とともにビジネスの現場を題材とした具体例が書かれています。

格言の意味は易しい言葉で書いていたのでスルッと入ってくるのですが、

いかんせんビジネスに直接触れる機会が少なかったペーペー学生のぼくには具体例がわかりづらく

「大事なことはなんとなくわかるけど、どうも納得感が薄い」

というのが正直な感想でした。

「こども孫子の兵法」は、ひたすらわかりやすい

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つまり、これらの「孫子の兵法」本は解説の表現や具体例がわかりにくく、一発で理解できなかったのです。(今読み直せばまた違う感想を持つかもしれません)

一方、「こども孫子の兵法」は読んだ瞬間、腑に落ちます

極端に言うならば、

とっつきやすさとわかりやすさを極めた「孫子の兵法」の超入門編

と呼んでも差し支え無いと思います。現存する「孫子の兵法」本の中で一番ライトかも。

言い回しや例がカンタン

たとえば、格言はこんな感じで表現されています。

  • 相手を戦いたくない気持ちにさせたら勝ちだ
  • 相手を追い詰め過ぎてはいけない
  • 怒りにふりまわされてはいけない。どんなときでもクールに判断しよう
  • 何かを始めるときは自分が「好きか嫌いか」だけではなく「有利か不利か」でも考えよう
  • 意味のある「逃げ」だってある。かなわないならさっさと逃げよう
  • ほかの人の意見に振り回されないで自分で決断しよう

これならばこどもで理解できますね。Amazonのレビューに小4の子が読んで感心していたというものがありました。

そして大事なのは、おとななら見ただけで一瞬で理解できるという点。何が良いかというと、何度も読み返す気になれることです。

金言や格言というものは、繰り返し思い出し、口に出すことを通じて、無意識にまで浸透させることで効果が倍増します

これがもしわかりにくい言葉だとしたら、読み解いて納得させるという脳内作業が必要になってしまいます。

で、結局繰り返すこと自体が億劫になってしまうんです。これでは身につくまで時間がかかってしまいますよね。

スキマ時間でぱっと手に取りささっと読める。これが「こども孫子の兵法」で超訳された格言たち(そしてこの本)の魅力です。

文字が少ない

次に、圧倒的に文字が少ない。

  • 見開き1ページで1つの格言をカバー
  • しかも右側はほぼ挿絵
  • 左側の解説ページも文字がデカい

文字数で言いますと、

  • 挿絵ページ:50文字前後(格言)
  • 解説ページ:350文字前後(解説+具体例)

と、見開き1ページあたりたった400文字しかありません。原稿用紙1枚分ですね。

ちなみに文庫本だと見開き1000文字程度とのこと。その半分です。

さて、文字が少ない=内容薄いんじゃないの?と思われるかもしれませんが、そうでもないのがこの本のすごいところ。

ここは「ことばの伝道師」と呼ばれる齋藤孝さんの腕の見せ所ですね。Amazonの商品ページで実物をチラ見できますので、よろしければご覧ください。

(ちなみに一冊全部で15000文字くらいです)

「こども孫子の兵法」のイマイチな点

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とはいえ、わかりやすさととっつきやすさに全振りしたぶん、失っているものもあります。

良くも悪くも入門書

決して内容は薄くはないんですが、いかんせん本は薄く、扱っている格言が24個のみです。

ちなみに

なので、約半分に絞っていることになります。

そのため、「こども孫子の兵法」だけ読めば「孫子の兵法」を理解した、ということにはなりません

少し無理に見える解釈もある?

そして、ほんの一部ですが、解釈自体に対して「ん?」と思う部分もあります。

たとえば

  • 原典:「勝ちを見ること囚人の知るところに過ぎざるは善の善なる者に非ざるなり」
  • 超訳:「本当にすごいのは誰にも気づかれずに目立たずに結果を出すことだ」

という格言に対して努力は隠すことが美徳と取れる解説がついていたりします。

誰も知らぬ間にすでに勝負がついている、そんな戦い方を目指せ。

というのが原典の伝えたいところじゃないのかなあ、と思いながら、まあこういう解釈もアリか、とも思ったり。

「孫子」は解釈するもの

孫子の兵法は幅広い解釈や応用が可能なもの。

目的によって部分部分をピックアップするのは自然ですし、異なる解釈から新しい学びを得るのは古典活用の正道です。

強くしなやかなこころを育てる」という目的に沿ったもののみピックアップした。そして、こども向けの新たな解釈を試している。

そう「解釈」すればイマイチなところも納得ができるものかと思います。

まとめ:おとなもこどももおねーさんも

というわけで、齋藤孝さん監修「こども孫子の兵法」のご紹介でした。

小学生でもわかる言葉で深いことがさくっと書いてあるため、お子さまへのプレゼントにもいいですし、買った親にも学びのある良書だと思います。

孫子の兵法に限らず、人生のステージごとに異なる学びを得られる古典はそばに置いておきたいものですね。

先人の知恵は使ってナンボ。車輪の再開発に精を出すより、巨人の肩の上に立って高みを目指してみてはいかがでしょうか。

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