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気楽に生きたい外資コンサルのブログ

薄っぺらい「べき論」を実践的なアドバイスへ変えるための3つの視点

仕事術 仕事術-コミュニケーション
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こんにちは、NAEです。

コンサルタントという仕事柄、社内外問わずアドバイスをする機会が非常に多いです。

そんな中、常に心がけているのがどう言えばこの人に響くのか、動いてもらえるのかということ。(コンサルタントは、人や組織を動かし、成果を挙げさせてナンボです。)

一方、よく目に(耳に?)するのが「べき論」を言い放つタイプのアドバイス。

こうすべきだ!とスパッと言い切るのは気持ちいいしカッコいいですが、実はそれ、ほとんどの場合、毒にしかなっていません

今回はそんなお話。

薄っぺらい「べき論」が正義の顔した厄介者である理由

もちろん、その「べき論」がものごとの本質をとらえているのであればどんどん言ったほうがいいです。

しかし、安易に放たれる「べき論」のほとんどが

ものごとを部分的に切り取ったうえで、口をついて出てきた、的はずれで薄っぺらいもの

です。(ぼくの経験上)

このような安易な「べき論」の怖いところはその言葉自体は正しいという点です。

状況を正しく捉えていない

たとえば、次の3つの「べき論」を見てください。

  • 常にプラス思考でいるべきだ
  • 政治家は国民感情に配慮すべきだ
  • 高齢者には席を譲るべきだ

いずれも、言っていること自体は正しいですよね。

でも、現実的にそうもいかない場合だってあります

たとえば

  • 常にプラス思考でいるべきだ→昨日パートナーを亡くしたばかりの人にそう言える?
  • 政治家は国民感情に配慮すべきだ→その感情的批判への対応によって喫緊の本質的な政策議論が滞るとしても?
  • 高齢者には席を譲るべきだ→徹夜仕事明けの若者に登山帰りの健脚老人が言っていたとしても?

このように、状況を正しく捉えると、言葉としては正しい「べき論」も全く正しくなくなる場合があります

べき論を言った側の説得が面倒くさい

にも関わらず、「べき論」を言う側は個別の事情を棚に上げて、

「言っていること自体は正しいだろうが!」と押し通そうとしがちです。

これがクライアントのキーパーソンや自社の上司など、無視できない人だった場合は最悪です。

頑固になっている人に対して説明をすること自体に時間を取られてしまいます。

べき論を言われた側がぶれる場合がある

そして、的はずれな「べき論」でも言葉自体は正しいように聞こえてしまうため、

受ける側も一瞬「あ、そうかも」と思ってしまう場合があります。

そのせいで、本来進むべき方向から外れてしまうと、とても目も当てられません。

だからこそ、安易な「べき論」アドバイスは厄介なんです。

べき論を実践的なアドバイスに変える3つの視点

そんな薄っぺらい「べき論」被害から身を守り、また自分もモンスターアドバイザーにならないために、

「べき論」的アドバイスを受けた際に、そして自分がする前に、3つの観点からその内容を検証します。

キーワードは、「状況」「アクション」「実現性」です。

なぜそうすべきなのか?

まず、その「べき論」が的はずれでないかを検証します。

なぜそうすべきなのか?

この問いを通じ、

  • その「べき論」は、そもそもどんな状況であれば有効なのか
  • 自分(相手)の状況と照らし合わせて、その「べき論」は適用可能か

を明らかにします。

先に述べたとおり、自分(相手)を取りまく環境や心身の状態を正しく理解していない「べき論」は邪魔者です

もしこの問いに対して

  • 明確な答えが出せない(出てこない)
  • 答えはあるが自分(相手)の状況と合わない

のであれば、その「べき論」はあまり有効ではありません。

「べき論」アドバイスを受けた、もしくはする際は、一瞬立ち止まって「なんで?」に考えを巡らせてください

具体的なアクションは?

「べき論」が状況を正しく捉えた的を得たものかという点と、実際にそうできるのかという点は別問題です。

そのため、2つ目、3つ目の質問は「実際にできるのか?」に焦点をあてます。

2つ目の問いは、

自分(相手)が起こすべき具体的なアクションはなにか

です。

「べき論」は「方針レベル」のものが多く、具体的なアプローチやアクションまで言及されない場合があります。

先ほど挙げた例で見てみましょう。

  • 常にプラス思考でいるべきだ
  • 政治家は国民感情に配慮すべきだ
  • 高齢者には席を譲るべきだ

3個目は具体的ですが、それ以外は「で、具体的にどうすればいいの?」と聞きたくなりますよね。

方針は出すけど具体策は知ったこっちゃない。そんなアドバイスほど無責任なものはありません。(業務分掌や責任分担の関係でそうなっている場合は別ですが・・・)

「こうすべきだ」と「こうすればできる」はセットで議論される方が、お互いハッピーですよね。

「べき論」を言う側も言われた側も「で、どうすればいい?」と自問(もしくは質問)するほうがよいと思います。

アクションの実現性は?

そして3つ目の問いは

そのアクションは現実的に実行可能か?

です。

たとえば、極端な例を挙げると

  • 政治家は国民感情に配慮すべきだ
  • 巷で話題のIoTを使って、全国民の感情をリアルタイムに把握するシステムを作る
  • 財源は、言い伝えにある徳川家の埋蔵金だ
  • すぐにでもやるべきだから期間は半年だ

なんてバカバカしいですよね。

もし実現不可能なアクションしか出てこないなら、その「べき論」は非現実的なアドバイスだということになります。

「べき論」にひもづく具体的なアクションを思い浮かべ、もしくは実際に聞き、実現性を検証するステップを踏むことで、その「べき論」は実践可能なアドバイスに変わります。

その際の議論のしかたとしては

  • アクション実現を阻む課題はなにか
  • それらをどのように解決していくのか
  • かかる期間と労力はどの程度か
  • それくらい投資する価値があるのか

といったように、できるを前提とした前向きなものである方が好ましいですね。

べき論を検証する3つの質問の共通点

  • なぜそうすべきか?
  • 具体的なアクションは?
  • 現実的に実行可能か?

という3つの質問を通じ、「べき論」を実践的なアドバイスまで落とし込んできました。

これらに共通するのは

相手の状況を理解していること

です。

1つ目は相手の状況をそもそも理解しろという話ですし、2つ目と3つ目は相手の使えるリソース(時間や労力、得られる協力など)を把握していないと話になりません。

結局は相手の立場に立つことをきちんと突き詰めましょうということです。

まとめ:「べき論」はそのまま受けず、はね返して検証しよう

というわけで、評論家くんから問題解決キッズへクラスチェンジするための3つの質問でした。(評論家くん、問題解決キッズって?という方は末尾の書籍を参照ください)

大阪維新の党の橋本さんが言っていた「反論するなら対案を出せ」と似たようなものです。アドバイスで人を動かすって結構頭使うんですよね。

ぼく自身は、本当はこのようなメソドロジー的なものでなく、言葉の魔法、心を打つ一言で人を動かせるようになりたいな、と思っているんですが、まだ道は遠いです。

今回は以上です。

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